東洋エンジと伊藤忠など、東シベリア-日本間のブルーアンモニアバリューチェーン事業化調査フェーズ2を開始

 東洋エンジニアリング(TOYO)、伊藤忠商事、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は7月7日、イルクーツク石油会社(IOC)と共同で、東シベリアと日本間のブルーアンモニアバリューチェーン構築に向けて2020年度実施のフェーズ1に続きフェーズ2として事業化に向けた詳細検討を実施すると発表した。TOYOと伊藤忠商事はフェーズ1同様JOGMECの委託調査として実施し、東シベリアでIOCが産出する天然ガスをアンモニアに変換し、日本へ輸送するバリューチェーンのマスタープランを構築する。

 フェーズ2では、東シベリアから日本への大規模なブルーアンモニアバリューチェーンの事業化に向けて、IOCの東シベリアの油田で産出される天然ガスから水素、さらにはアンモニアを製造するための概念設計を行う。この概念設計では、生産過程で排出するCO2を同社が東シベリアに保有する油田増産のためのCO2-EORを組み合わせることを想定している。またアンモニア内陸輸送については鉄道とパイプラインの適用を検討する。これらについて、事業化の時間軸を踏まえた段階的なアプローチを立案する。

 TOYOは80件以上のアンモニアプラント建設実績を有し、石油・ガス生産設備のコンサルティング、エンジニアリング、建設、EOR等の設備計画に取り組んできた。また、東シベリアを含むロシアでのビジネスにはおよそ50年の歴史を持っている。

 伊藤忠商事は原油、石油製品、LNG、LPG等の豊富な貿易実績を有し、物流最適化のための知見に加え、東シベリアでの原油の探鉱・開発・生産でIOCとの協業中。脱炭素社会を目指す中で今後燃料としての新たな市場が期待されるアンモニアの生産、効率的な輸送を実現して、日本市場にブルーアンモニアを安定供給することを目指す。

 JOGMECは、資源開発において気候変動問題への対応がより一層求められている状況を踏まえ、2021年4月20日に「JOGMECカーボンニュートラル・イニシアティブ」を公表した。これまで培ってきた技術ノウハウを最大限活用し、CCS技術支援を通じたブルー水素・アンモニア事業支援に取り組んでいる。

 フェーズ2は、4者が保有する技術・知見を活かした連携により、東シベリア-日本間のブルーアンモニアバリューチェーンを確立し、火力発電所や船舶等の燃料分野の脱炭素化施策として有望視されるブルーアンモニアを日本やアジアに燃料として導入することで、温室効果ガス削減への取り組みを通じて持続可能な社会の実現に貢献していく。

 ニュースリリース(東洋エンジニアリング)

 ニュースリリース(伊藤忠商事)

 ニュースリリース(JOGMEC)