コマツ初、土質改良機への連続排土及び建機の複数台切り替え遠隔操作を実現

・ものづくりと技術の革新で新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓く
・創立100周年記念活動の一環

 コマツは5月13日、創立100周年を迎えるにあたり、建設・鉱山機械の自動化・遠隔制御化の実用化に向け、自動積込制御による土質改良機への連続排土を実現する自動化技術と、㈱NTTドコモ(以下、ドコモ)の第5世代移動通信方式を用いた通信サービス(以下、5Gサービス)を活用した遠隔による建設機械の複数台の切り替え操作を可能とする遠隔操作技術の実証実験を成功させたことを発表した。


 コマツは、中期経営計画の成長戦略3本柱の1つであるイノベーションによる価値創造の重点活動の一つとして、「建設・鉱山機械・ユーティリティ(小型機械)の自動化・自律化、電動化、遠隔操作化」に取り組むとともに、モノ(建設機械の自動化・高度化)とコト(施工オペレーションの最適化)で施工のデジタルトランスフォーメーションを実現し、顧客とともに安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場の実現を目指している。
 
 通常、油圧ショベルの積込作業においては、排土時のバケットからの土の落ち方は土質(粘土質・砂質など)により異なるため、熟練オペレーターは土質に合わせて排土動作を調整し荷こぼれを防いでいるが、今回の実証実験では、自動化技術において油圧ショベル「PC200i-10」の自動積込制御に改良を加え、積込作業時に作業機が干渉せず、土質改良機リテラ「BZ210-3」(通常機)のホッパのような小さな排土対象にも土こぼれのない連続排土を実現するとともに、ダンプトラックに複数回排土する場合には、位置をずらして排土する動作も実現している。また遠隔操作化については、こまつの杜(石川県)に設置された1台の遠隔操作ポッドにオペレーターが座り、コマツの実用試験部(大分県)にあるブルドーザー「D65PXi-18」、油圧ショベル「PC200i-11」などの建設機械から高速・大容量・低遅延の特徴を持つ5Gサービスを利用してリアルタイムで送信されるカメラ映像を見ながら、複数台の建設機械を切り替えての操作を実現している。また、遠隔操作時の安全確保のため、建設機械に搭載したカメラ映像からAIで人を検知し、建設機械との距離を色でモニタ表示させ、オペレーターが周囲状況を確認できる技術も実現した。


 今回の実証実験の成功は、建設・鉱山機械の自動化・遠隔操作化の実用に向けて着実に開発を推進させたものと言える。コマツは鉱山向けの超大型油圧ショベル「PC7000」による遠隔操作化についても、21年度上半期を目途に開発を進めている。また2008年にコマツが世界で初めて商用導入した無人ダンプトラック運行システム「AHS (Autonomous Haulage System)」との連携により、顧客の現場の安全性と生産性の向上に大きな効果が期待できる。また鉱山向け大型ブルドーザーについても遠隔操作システム開発を完了させ、更に自動運転の開発を進めており、顧客の現場での実証実験の開始を目指している。


 今後もコマツは次の100年に向けて、ものづくりと技術の革新で新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓くことを目指し、ステークホルダーとともに歩んでいくとしている。
 
画像:コマツ実用試験部における自動積込と複数台遠隔操作の実証実験(大分県)

 ニュースリリース