㈱タダノが10月30日に発表した2021年3月期第2四半期(4~9月)連結業績によると、売上高は911 億6百万円(前年同期比90.8%)となった。うち日本向け売上高は、建設用クレーン・車両搭載型クレーン・高所作業車が揃って減少し、435 億1千7百万円(前年同期比80.4%)。海外向け売上高は、2019 年7月31 日に買収を完了したDemagブランドのクレーン事業連結により、欧州を中心に増加したものの、475 億8千8百万円(前年同期比103.1%)に留まった。また、海外売上高比率は52.2%となった。
売上減少に伴う売上総利益の低下に加え、Demag 製品を中心とした構成の変化による売上原価率の悪化、Demag 事業連結の影響による販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は10 億3千8百万円の損失(前年同期75 億7千3百万円の利益)、経常利益は15 億9千万円の損失(前年同期72 億6千2百万円の利益)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は25 億6千6百万円の損失(前年同期52 億6千7百万円の利益)となった。(数値表記は原文尊重)
4~9月期における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、設備投資や輸出は低迷し、景気は極めて厳しい状況にある。海外においては、経済活動の再開が段階的に進む一方で、新型コロナウイルスの感染拡大継続、原油価格の低迷や点在する地政学的リスクもあり、景気は極めて厳しい状況にある。タダノの関連業界は、日本では、緊急事態宣言発令に伴う建設工事中断等で稼働は一時的に低下し、需要は減少した。海外では、各国政府のロックダウン等の影響を受け、大幅減少の北米を始めとして全ての地域で需要が減少した。
■セグメント別状況
*セグメント別とは同社及び連結対象子会社の所在地別の売上高・営業利益で、仕向地別売上高とは異なる。
<日本> 日本向け売上は、建設用クレーン・車両搭載型クレーン・高所作業車が揃って減少した。また、海外向け売上も減少し、その結果、売上高は626 億2千6百万円(前年同期比75.7%)、営業利益は48 億1千6百万円(前年同期比54.1%)となった。
<欧州> 建設用クレーン売上は、建設用クレーンの需要が減少する中、Demag 事業連結により、売上高は305億5千5百万円(前年同期比140.3%)、営業利益は54 億8千2百万円の損失(前年同期10 億6百万円の営業損失)となった。
<米州> 建設用クレーンの需要が減少する中、売上高は203 億4千5百万円(前年同期比94.5%)、営業利益は2億1千9百万円(前年同期比21.2%)となった。
<その他> 建設用クレーンの需要が減少する中、売上高は65 億8千1百万円(前年同期比80.7%)、営業利益は1億1百万円(前年同期比46.1%)となった。
■主要品目別状況
<建設用クレーン> 日本向け売上は、需要が減少する中、181 億2千2百万円(前年同期比72.5%)となった。海外向け売上は、Demag 事業が連結に加わったものの、すべての地域で需要が減少し、369 億8千4百万円(前年同期比94.3%)となった。この結果、建設用クレーンの売上高は551 億6百万円(前年同期比85.8%)となった。
<車両搭載型クレーン> 日本向け売上は、需要の減少により、84 億7千1百万円(前年同期比81.4%)となった。海外向け売上は、6億2千8百万円(前年同期比73.6%)となった。この結果、車両搭載型クレーンの売上高は90 億9千9百万円(前年同期比80.8%)となった。
<高所作業車> 高所作業車の売上高は、レンタル業界向け需要の減少により、84 億9千3百万円(前年同期比89.3%)となった。
<その他> 部品、修理、中古車等のその他の売上高は、Demag 事業連結により、184 億6百万円(前年同期比120.1%)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2021 年3月期の通期連結業績予想は、新型コロナウイルス感染症による需要減と生産への影響を踏まえ、以下のとおりとした。
売上高1,820億円(前期比20.2%減)、営業利益△47億円(前期は+15,623百万円、経常利益△62億円(同:15,461百万円、親会社株主に帰属する当期純利益△79億円(同:7,876百万円)。
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