ロボット工業会、受注・生産・出荷実績2020年1~3月期【会員ベース】を発表

 日本ロボット工業会は4月30日、ロボット統計受注・生産・出荷実績2020年1~3月期【会員ベース】を発表した。それによると、受注額が対前年同期比10.1%の増加、生産額が4.5%の増加となった。受注額では6四半期ぶりの増加となったが、前年同期が米中貿易摩擦等による大幅な需要減少を反映したものであり、一昨年との比較では約22%減と、依然として減少傾向は継続している。

 国内は昨年末の景気停滞感、消費税増税の影響が続き自動車製造業、電気機械製造業中心に減少した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による更なる下押しが懸念される。

 輸出は国・用途ごとに強弱混在している。実装用は5G投資の加速等により中国向けを中心に前年同期から改善、中国向けにおいてはスマートフォン投資で堅調だった一昨年に迫る水準となった。一方、溶接用は台数こそ前年同期を上回ったものの、輸出額は8四半期連続の減少。米国・欧州向けは主要用途で引き続き勢いない。昨年からの景気減速の動向に加え、新型コロナウイルス感染症の影響に注視を要する。

 以下、リリース原文。

 ロボット統計受注・生産・出荷実績2020年1~3月期【会員ベース】について

◆調査概要

 「ロボット統計受注・生産・出荷実績 2020年1~3月期【会員ベース】」は、当会の産業用ロボット月別統計調査を基に作成したもので、当会の正会員及び賛助会員対象企業による実績である。

◆業況

 2020年1~3月期は、受注額が対前年同期比10.1%の増加、生産額が4.5%の増加となった。受注額では6四半期ぶりの増加となったが、前年同期が米中貿易摩擦等による大幅な需要減少を反映したものであり、一昨年との比較では約22%減と、依然として減少傾向は継続している。

 国内は昨年末の景気停滞感、消費税増税の影響が続き自動車製造業、電気機械製造業中心に減少した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による更なる下押しが懸念される。

 輸出は国・用途ごとに強弱混在している。実装用は5G投資の加速等により中国向けを中心に前年同期から改善、中国向けにおいてはスマートフォン投資で堅調だった一昨年に迫る水準となった。一方、溶接用は台数こそ前年同期を上回ったものの、輸出額は8四半期連続の減少。米国・欧州向けは主要用途で引き続き勢いない。昨年からの景気減速の動向に加え、新型コロナウイルス感染症の影響に注視を要する。

受注・生産・出荷の各状況は以下の通り。

1.受注

・受注台数(台) : 43,105(前年同期比+4.9%) 【2四半期連続の増加】

・受注額(億円) : 1,718(同+10.1%) 【6四半期ぶりの増加】

2.生産

・生産台数(台) : 45,587(前年同期比+8.1%) 【7四半期ぶりの増加】

・生産額(億円) : 1,698(同+4.5%) 【7四半期ぶりの増加】

3.出荷

・総出荷台数(台) : 47,010(前年同期比+9.1%) 【7四半期ぶりの増加】

・総出荷額(億円) : 1,719(同+2.6%) 【5四半期ぶりの増加】

- 国内出荷台数(台) : 10,677(同▲19.3%) 【4四半期連続の減少】

- 国内出荷額(億円) : 528(同▲9.4%) 【2四半期連続の減少】

- 輸出台数(台) : 36,333(同+21.7%) 【7四半期ぶりの増加】

- 輸出額(億円) : 1,192(同+8.9%) 【7四半期ぶりの増加】

3.1 国内出荷内訳

電気機械製造業向け

・国内出荷台数(台) : 2,877(前年同期比▲20.1%) 【4四半期連続の減少】

・国内出荷額(億円) : 143(同▲12.8%) 【2四半期連続の減少】

自動車製造業向け

・国内出荷台数(台) : 3,646(前年同期比▲24.5%) 【2四半期連続の減少】

・国内出荷額(億円) : 181(同▲11.7%) 【2四半期連続の減少】

3.2 輸出内訳

電子部品実装用

・輸出台数(台): 2,780(前年同期比+16.4%) 【5四半期ぶりの増加】

・輸出額(億円): 459(同+9.0%) 【5四半期ぶりの増加】

溶接用

・輸出台数(台): 7,198(前年同期比+5.8%) 【8四半期ぶりの増加】

・輸出額(億円): 154(同▲14.3%) 【8四半期連続の減少】

 ロボット統計2020年1~3月実績(PDF)

 ロボット統計2020年1~3月(エクセルデータ)