㈱IHIのグループ会社であるJIMテクノロジー(JIMT、本社:川崎市川崎区)は3月11日、東海旅客鉄道(JR東海)が建設を進めるリニア中央新幹線の施工に導入する最初のシールドマシンを、1月24日に完成させたと発表した。
完成したシールドは㈱熊谷組・大豊建設・徳倉建設のJVが施工する、地下約90mの大深度区間を含むリニア中央新幹線の「第一首都圏トンネル(北品川工区)」で使用されるもので、鉄道用のシールドマシンとしては国内最大級。1日当たり平均約20m、1か月当たり平均約400mの掘進を可能とする。
シールドは泥土圧シールドでカッターヘッドの掘削面に約700個のビット(刃)を備えている。これまでは掘削工事の中で、ビットが摩耗し、交換する際、地盤改良を行ったうえで、作業員がシールドのカッター前面に出て作業を行う必要があった。この作業は事故の危険を高め、工期の長期化につながる。このような課題を解消するため、JIMTと熊谷組は2017年に、刃が摩耗しても遠隔操作で安全かつ効率的にカッタービットの交換を行う「サンライズビット工法」を開発した。
今回、同シールドに同工法を適用し、地山用、仮壁用、地山用予備のビットが順に掘削面に出てビット交換を行う装置を搭載、また、施工に万全を期すために複数のビットを準備する予定。
完成したシールドマシンにより、第一首都圏トンネルの延長約36.9kmのうち、JV施工の北品川工区約9.2kmの区間内が掘削される予定。
JIMTは2016年に、IHI、JFEエンジニアリング、三菱重工業のトンネル掘削機事業を統合し、発足した。前身の3社合わせて、これまで4,000台の納入実績がある。JIMTは、今後も国内、海外市場において拡大が見込まれる需要に対応するため、受注活動を推進し、技術力を活かして、世界市場におけるリーディングカンパニーになるよう取り組んでいく。
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