建設機械工業会、2020年度需要予測で小川会長(コマツ)が会見

■小川啓之会長(コマツ社長)の会見要旨(2020年2月25日)

・・・・・前回予測より減っているが、この要因については。

小川会長:前回の予測では、国内は消費増税の駆け込み需要、あるいは反動減はあまり大きくないとみていたが、実績をみるとかなり大きく出た。年度を通じてみると、全体でプラスの見通しとなっている。輸出については、特にアジア、オセアニア、中国は8月の予測より厳しかったということです。一方、北米、日本については年間通じてみれば、足元も比較的順調です。

・・・・・中国市場の予測については、また新型コロナに関しての影響はどうみるか。

小川会長:新型肺炎の影響については、よく分からない状況です。リスクはあることはご存知のとおりだと思います。会員各社は、中国市場においては、中国政府の指導に基づいて稼働開始していると思います。また中国で製造していない会員各社もサプライチェーンの影響がでるかどうか。いまのところよく分かっていないが、各社で対策を打っていると思います。

 中国市場の春節明けは、年間における一番のセールスシーズン。そこの需要がこれからどうなっていくかを注視していきたい。今のところ。よく分かりませんというところが正直な感想だが、おそらく中国市場については影響はあるだろう。それがグローバルにどう影響してくるかは不明です。

 ただ、先週あたりから中国政府も経済活動を再開せよとの指導を出しているといわれ、徐々に中国市場も回復するとみています。

 中国のショベル需要は年間20万台とすると、2~3月で3割、約6万台。この需要が後ろにずれるのか、消えてなくなるのか。このあたりを見ていきたい。先にも言ったように、経済活動を再開しているので、稼働率などデータを注視していきたい。私は、ずれはする、けれど徐々に回復するとみている。一部の省を除いて稼働率も上がってきている。

・・・・・国内市場について、オリンピック期間中の影響などについては。

 オリンピックでそれなりに工事が止まるかもしれないが、ゼネコン各社によると、いろんな工事が目白押しと聞いているので、内需が大きく減速するということはないとみている。

・・・・・北米市場の見方については。

 たぶん、過去のピークは2005年ぐらい。2018年はそこに近い値、過去のピークからすれば、そろそろピークアウトする時期かなとも思う。当時の住宅着工件数は205~210万戸、2018年は120~130万戸で通常レベルにある。リーマンショックのようなことはないとしても建機需要は、過去のピークに近い。この辺りは市場をよく見ていきたい。

 今年は大統領選があり、その影響がどうなるかも合わせてよく見ていく必要がある。ただ、全体として北米は堅調だと思う見方が多いのではないか。

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