㈱三井E&Sマシナリー(本社:東京都中央区)は2月25日、東慶海運(愛媛県今治市)がジャパンマリンユナイテッド(神奈川県横浜市)で建造中の20万8,000重量トン型ばら積船向け(主機:MITSUI-MAN B&W 7S65ME-C8.5)に、次世代型油圧式廃熱回収システム Turbo Hydraulic System type2(THS2)を受注したと発表した。
三井E&Sマシナリーは、将来の温室効果ガスの排出規制強化を見据えて独自に技術開発を進めている。THS2は、過給機より回収した油圧エネルギーを電子制御機関の排気弁の開閉や燃料噴射を制御する油圧動力として供給することにより、50%負荷以上の運航において機関単体で最大2%燃費を改善することができる。
従来型の同社独自の廃熱回収技術(Turbo Hydraulic system(THS))を電子制御機関に特化した仕様とし、小型化、部品点数の削減、コストダウンを実現している。THS2の機器は全て主機側に装備されるため、他の廃熱回収技術よりも船体側への影響が少ない点も特徴の1つ。
また、THS2に適用される過給機アシストモードでは、低負荷域での運転時に電子制御機関の油圧動力を過給機に送ることで過給機の回転をアシストする。通常、低負荷域では補助ブロワを使用することが多くなるが、本モードにより補助ブロワを停止した状態で運航できる負荷範囲を拡げることができる。補助ブロワの運転は、減速運航の負荷範囲を制限するケースが多いため、過給機アシストモードは更なる減速運航への対策としても期待され、温室効果ガスの削減にも寄与する。
THS2は、NOx Tier III対応技術(排気再循環:Exhaust Gas Recirculation(EGR)、選択式触媒還元:Selective Catalytic Reduction(SCR))や二元燃料機関とも同時適用可能。
*補助ブロワ:主機関を起動する際、または低負荷での運転時といった過給機が十分に作動しない状況で、主機関に掃気を送る装置。
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