・衝突被害軽減ブレーキ義務化などに伴う需要増大に対応、将来的には年産1,000万本の体制
日本精工(NSK)は1月31日、世界規模で電動油圧ブレーキシステム用ボールねじ(画像・上)の需要の急拡大が見込まれることから、2019年3月に生産を開始した埼玉県羽生市の埼玉工場に続き、今年1月から群馬県前橋市のNSKステアリングシステムズ㈱総社工場赤城製造部(以下、赤城工場、画像・下)でボールねじの生産を開始したと発表した。
近年、自動車の安全性能が向上する一方、居眠り運転や誤操作による事故も増加している。こうした背景から、欧米や中国でも運転をアシストする衝突被害軽減ブレーキの搭載機運が高まっており、日本では2021年11月以降に国内で販売される新車へ搭載が義務化される。
電動油圧ブレーキシステムは、もともとはアイドリングストップの普及により、ブレーキを踏む力をアシストするブースタに、エンジンの負圧が使えなくなることへの対応として普及が進んだが、衝突被害軽減ブレーキとの親和性が高いことから採用が拡大しており、中でも応答性に優れるボールねじ式の採用の拡大が見込まれている。
NSKは、電動油圧ブレーキシステム用ボールねじを、2019年3月から埼玉工場で生産を始めている。NSKのボールねじは、高い信頼性に加え、軸受生産のノウハウを活かしてサポート軸受をボールねじと一体化することにより、小型・軽量化も実現している。
採用拡大による需要拡大に応えるため、2020年1月末から新たに赤城工場で生産を始めた。今後、海外生産も検討しており、2026年には年産1,000万本のグローバル生産体制の構築を目指す。なお、ボールねじ生産に伴う投資総額は100億円規模を見込んでいる。
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