住友重機械工業が1月31日に発表した2020年3月期第3四半期(2019年4~12月)連結業績によると、受注高は、産業機械部門を除く全ての部門で減少し、前年同期比10%減の6,052億円、売上高は、精密機械及び環境・プラントの部門を除く全ての部門で減少し、同3%減の6,257億円となった。損益面は、全ての部門で減少し、営業利益は同28%減の378億円、経常利益は同29%減の357億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同26%減の229億円となった。(*数値は原文表記を尊重しています)
■経営成績に関する説明
2019年4~12月期における住友重機械工業グループを取り巻く経営環境は、国内においては、企業業績は全体としては底堅く推移しているものの製造業で機械投資に弱い動きが見られ、海外においては、米国は景気の回復が継続しているものの製造業では通商問題の影響などが見られ、中国では景気に緩やかな減速傾向が現れるなど、全世界的に機械需要は調整局面を迎えることとなった。また、米中貿易摩擦の深刻化、地政学上のリスクの継続及び為替相場の変動など依然として不透明感が残る状態だった。
このような経営環境のもと、住友重機械工業グループは「中期経営計画2019」を推進し、設備や研究開発などの成長投資の実施、CSRの積極推進などの重点施策を推進してきた。
なお、前期に公表した、同社及び同社グループ会社における製品及びサービスに関する不適切な検査等については、再発防止策を確実に実施し、品質管理とコンプライアンスの一層の強化を図り、信頼回復に全力を挙げて取り組んでいく。
■部門別の状況
<機械コンポーネント部門>
中小型の減・変速機やロボット用精密減速機の需要減少により受注、売上ともに減少した。この結果、受注高は953億円(前年同期比7%減)、売上高は967億円(同1%減)、営業利益は51億円となった。
<精密機械部門>
プラスチック加工機械事業は、中国の電気電子関連の需要低迷や、国内及び欧州の需要が減少したことから受注、売上ともに減少した。一方、その他精密機械事業は、極低温冷凍機や半導体関連の需要が堅調に推移したことから受注、売上ともに増加した。この結果、受注高は1,408億円(前年同期比4%減)、売上高は1,352億円(同1%増)、営業利益は109億円となった。
<建設機械部門>
油圧ショベル事業は、アセアン地域の需要減少や中国の市況にかげりが見えてきたこと、台風被害の影響で部品の調達問題が発生したことなどから受注、売上ともに減少した。建設用クレーン事業は、国内や北米地区の需要が減少したことなどから受注、売上ともに減少した。この結果、受注高は1,918億円(前年同期比15%減)、売上高は2,014億円(同6%減)、営業利益は124億円となった。
<産業機械部門>
運搬機械事業は、電力、港湾向けの需要が堅調であったことや、物流システム、駐車場システムも堅調であったことから受注は増加したが、長納期の受注残の売上が翌期以降となることから売上は減少した。その他産業機械事業は、産業用タービンの増加で受注は増加したが、受注残の減少により売上は減少した。
この結果、受注高は644億円(前年同期比8%増)、売上高は622億円(同7%減)、営業利益は38億円となった。
<船舶部門>
船舶市況は引き続き低迷しているが、第3四半期は前年同期と同じ2隻の新造船受注があった。また、引渡しについては、前年同期は3隻だったが第3四半期は1隻だった。この結果、受注高は227億円(前年同期比6%減)、売上高は214億円(同23%減)、営業損失は24億円となった。
<環境・プラント部門>
エネルギープラント事業は、国内のバイオマス発電設備の大型案件が前年同期に比べ減少したことから受注は減少したが、受注残があり売上は増加した。水処理プラント事業は、排水処理装置の案件が前年同期に比べ減少したことなどから受注、売上ともに減少した。この結果、受注高は846億円(前年同期比23%減)、売上高は1,035億円(同1%増)、営業利益は63億円となった。
<その他部門>
受注高は55億円(前年同期比2%減)、売上高は53億円(前年同期比2%増)、営業利益は17億円となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2020年3月期の連結業績予想については、売上高8,850億円(前期比2.0%減)、営業利益600億円(同:20.3%減)、経常利益570億円(同:21.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益370億円(同:18.9%減)と、2019年10月31日公表値を据え置いている。
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Posted on & 2019年5月8日/Author kikai-news.net
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