㈱タダノが1月31日に発表した2020年3月期第3四半期(2019年4~12月)連結業績によると、売上高は1,488 億7千7百万円(前年同期比118.8%)となった。うち、日本向け売上高は、建設用クレーン・車両搭載型クレーンが増加、高所作業車は減少し、710 億4千6百万円(同112.0%)となった。海外向け売上高は、すべての地域で増加し、778 億3千1百万円(同125.9%)となった。海外売上高比率は52.3%となった。
売上増加の一方で、コストアップや製品構成の変化により売上原価率は悪化、また成長に向けた前向き投資もあり販売費及び一般管理費は増加した結果、営業利益は105 億9千9百万円(前年同期比118.4%)、経常利益は99 億4千7百万円(同114.0%)となり、特別利益として4億8千7百万円の負ののれん発生益を計上し、親会社株主に帰属する四半期純利益は67 億4千4百万円(同135.8%)となった。(*数値は原文表記を尊重しています)
■経営成績に関する説明
2019年4~12月期における国内経済は、輸出弱含みの中、個人消費は持ち直し、設備投資は緩やかな増加傾向、景気は緩やかに回復した。米国経済は回復持続、欧州経済は回復弱く、中国経済に減速が見られた。一方で、米中貿易戦争や英国EU 離脱問題に一部進展は見られたものの、中東地域を巡る情勢等、点在する地政学的リスクもあり、極めて不透明な状況が続いている。
タダノの関連業界は、日本では、東京オリンピック・パラリンピックに向けた建設需要や復旧復興・防災減災・インフラ老朽化対策・民間建設投資等により稼働が堅調に推移し、需要は増加した。海外では、北米・アジアは増加、欧州・豪州は概ね横ばい、中東は減少、全体として需要は増加した。
タダノは、2019年2月、米国Terex 社と、同社が所有するDemag ブランドのクレーン事業(本拠地ドイツ)の株式取得等に関する契約を締結し、7月31 日をもって買収を完了した。これにより第3四半期連結財務諸表において、同事業の貸借対照表(9月末)及び損益計算書(8~9月)を連結している。同事業の買収により、オールテレーンクレーン事業の更なる拡充を図り、新たにクローラクレーンをタダノグループの製品ラインナップに加え、幅広い顧客ニーズに対応することが可能になる。
2018年1月19 日に公表した米国排ガス規制の緩和措置に関する自己申告については、現在、米国当局(環境保護庁・司法省)との協議が進行中。協議の終了時期は見通せていないが、今後、開示が必要な事由が判明した際は適時適切に対応する。
■セグメント別の状況
(タダノ及び連結対象子会社の所在地別の売上高・営業利益で仕向地別売上高とは異なる)
1)日本:日本向けは、建設用クレーン・車両搭載型クレーンが増加、高所作業車は減少したものの、売上は増加した。また、海外向けも増加し、その結果、売上高は1,134 億9千5百万円(前年同期比111.6%)、営業利益は120 億5千2百万円(前年同期比114.2%)となった。
2)欧州:建設用クレーン売上は、Demag ブランドのクレーン事業買収によりドイツ子会社Tadano DemagGmbH を含む欧州7社を連結した結果、売上高は407 億6千4百万円(前年同期比125.8%)となった。同社の損失と独子会社Tadano Faun GmbH の新モデル移行や品質対応に伴うコスト増により、営業損失は23 億4千6百万円(前年同期は2億1千5百万円の営業損失)となった。
3)米州:建設用クレーンの需要が増加する中、拡販に注力し、売上高は362 億6千5百万円(前年同期比142.5%)、営業利益は20 億8千4百万円(前年同期比315.6%)となった。
4)その他:建設用クレーン需要が増加し、売上高は114 億2千1百万円(前年同期比106.7%)となった。インド子会社Tadano Escorts India の立ち上げもあり、営業利益は1億9千7百万円(前年同期比57.2%)となった。
■主要品目別の状況
1)建設用クレーン:日本向け売上は、需要が増加する中、大型機種の拡販に取り組み、302 億6千万円(前年同期比124.0%)となった。海外向け売上は、すべての地域で増加し、643 億8千5百万円(前年同期比128.7%)となった。この結果、建設用クレーンの売上高は946 億4千6百万円(前年同期比127.2%)となった。
2)車両搭載型クレーン:日本向け売上は、安全装置法制化と小型トラックの排ガス規制による駆け込み需要が年度前半で終息したが、拡販に注力し、151 億3千9百万円(前年同期比112.6%)となった。海外向け売上は、拡販に注力したものの、14 億1千万円(前年同期比96.1%)となった。
この結果、車両搭載型クレーンの売上高は165 億4千9百万円(前年同期比111.0%)となった。
3)高所作業車:高所作業車の売上高は、小型トラックの排ガス規制による駆け込み需要が年度前半で終息し、121 億8百万円(前年同期比96.0%)となった。
4)その他:部品、修理、中古車等のその他の売上高は、255 億7千3百万円(前年同期比109.6%)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2020年3月期の連結業績予想については、売上高2,280億円(前期比:21.0%増)、営業利益116億円(同:26.7%減)、経常利益116億円(同:25.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益70億円(同:38.9%減)と、2019年10月31日公表値を据え置いている。
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