・建設機械・車両部門は10%減の1兆6,580億円、アジアなど戦略市場が減少
■部門別の概況
[建設機械・車両]
中期経営計画の成長戦略3本柱の1つであるイノベーションによる価値創造において無人ダンプトラック運行システム(AHS)の強化を重点項目の1つに掲げ、ブラジル北部にある世界最大級のカラジャス鉄鉱山へ、37台の電気駆動式超大型ダンプトラック930E及びAHSの導入に取り組んだ。また、同鉱山近郊にコマツとして初の「AHSトレーニングセンタ」を新設し、ブラジル北部におけるAHSに関する運用及び保守のトレーニングを幅広く提供する活動を進めた。
さらに、2015年2月にスタートした建設現場向けソリューション事業「スマートコンストラクション」を確実に推進し、これまでに国内においては9,700を超える現場に導入した。海外においては、米国やドイツなどでパイロット導入し、本格導入に向けて活動を進めた。今後も、安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場を顧客とともに実現していく。
■地域別の概況
<日本>
日本では、2017年9月に施行された新排出ガス規制に伴う駆け込み需要の反動減からの回復やインフラ関連需要が堅調に推移したことなどにより、売上げは前年同期並みとなった。
<米州>
北米では、レンタル向け一般建機を中心に需要が堅調であったものの、代理店在庫の調整を進めたことから、売上げは前年同期を下回った。中南米では、チリにおいて鉱山機械の売上げが増加したものの、経済情勢悪化が続くアルゼンチンやメキシコにおいて需要が減少したことから、売上げは前年同期を下回った。
<欧州・CIS>
欧州では、主要市場である英国では需要が減少したものの、ドイツ、フランスなどでの需要が堅調であり、売上げは前年同期を上回った。
CISでは、石炭向けの鉱山機械需要の減少に加え、一般建機の需要も減少したことなどにより、売上げは前年同期を下回った。
<中国>
中国では、国内経済の不透明感が強まっていることに加え、国産メーカー比率の上昇により、売上げは前年同期を下回った。
<アジア・オセアニア>
アジアでは、燃料炭価格の低迷に伴い、最大市場であるインドネシアでの鉱山機械の需要が減少したことに加え、各国の一般建機の需要が低調に推移したことにより、売上げは前年同期を大幅に下回った。
オセアニアでは、鉱山機械の部品・サービス売上げを着実に取り込んだものの、一般建機・鉱山機械本体の売上げが減少したことなどにより、売上げは前年同期を下回った。
<中近東・アフリカ>
中近東では、主要市場であるトルコにおいて通貨安の影響による需要低迷が続いており、UAEにおける一般建機の需要が増加したものの、売上げは前年同期を下回った。
アフリカでは、南部アフリカ地域での一般建機の売上げは前年同期並みであったものの、その他地域での需要が低調に推移したことなどにより、売上げは前年同期を下回った。
[リテールファイナンス]
リテールファイナンス部門では、北米、欧州などでの資産増加効果に伴い、売上高は529億円(前年同期比14.6%増)となった。セグメント利益は、中国での債権回収に関する引当金戻し益がなくなったこともあり、108億円(前年同期比16.9%減)となった。
[産業機械他]
産業機械他部門では、自動車業界向けの鍛圧機械及び工作機械の販売が減少したことに加え、半導体市場向けエキシマレーザー関連製品の販売減少もあり、売上高は1,270億円(前年同期比11.0%減)、セグメント利益は96億円(前年同期比24.0%減)となった。
昨年11月より、ギガフォトン(株)の中国内のサービス拠点を統括する新会社「GIGAPHOTONCHINA Inc.」が営業を開始し、サポート体制強化及び充実したサービスの提供に取り組んだ。
■連結業績予想に関する定性的情報
2020年3月期の連結業績予想については、売上高2兆4,720億円(前期比9.3%減)、営業利益2,790億円(同:29.9%減)、税引前当期純利益2,570億円(同31.9%減)、株主に帰属する当期純利益1,800億円(同:29.8%減)と、2019年10月30日公表値を据え置いている。
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