㈱竹内製作所が1月10日に発表した2020年2月期第3四半期連結累計期間(2019年3~11月、9カ月)の売上高は914億8,300万円(前年同期比4.2%増)となった。利益面については、拡販に向けて政策的な販売価格を設定したこと、製造原価及び運搬費が増加したこと、並びに前年同期に計上されていた貸倒引当金の戻入が当第3四半期連結累計期間は繰入となったこと等により、営業利益は106億9,600万円(同15.4%減)となり、経常利益は104億4,600万円(同18.7%減)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は、税金費用を28億8,000万円計上したため、75億6,500万円(同19.6%減)となった。
■経営成績に関する説明
竹内製作所グループの主力市場である米国及び欧州の第3四半期連結累計期間(2019年3月1日から2019年11月30日まで)の経済は、概ね以下のとおり推移した。
米国では、米中貿易摩擦の長期化が懸念される中、設備投資は弱含んだものの、雇用・所得環境が引き続き堅調で、住宅市場が勢いを取り戻すなど個人消費は好調を維持した。欧州では、米中貿易摩擦と英国のEU離脱問題の混迷が続き、製造業の低迷が長期化する中、雇用・所得環境は依然として良好で、個人消費は底堅く推移した。こうした中、英国では、EU離脱期限の延長により依然として不透明な状況が続いたが、経済成長を押し下げた輸出等の落ち込みは解消に向かい、個人消費も堅調に拡大した。
このような環境の中、2019年2月には欧州の第5次排出ガス規制に適合したミニショベルの新製品「TB235-2」及び「TB250-2」を市場投入し、また、北米向け製品のみに搭載されていたGPS機能が付いた情報通信機器を欧州向け製品にも搭載を開始するなど、より付加価値の高い製品ラインナップで積極的な販売活動を展開した。
英国を除く欧州での販売は総じて好調に推移したものの、米国及び英国での販売が伸び悩んだため、グループ全体としての製品販売台数は、前年同期に比べ横ばいとなった。
■セグメント別の経営成績
<日本> 日本セグメントは、売上高のほとんどが欧州ディストリビューター向けの販売で占められている。2018年3月に市場投入したミニショベル「TB225」が引き続き販売好調で、2019年2月に市場投入したミニショベル「TB235-2」及び「TB250-2」も好調に滑り出した。欧州向けのミニショベル、油圧ショベルの販売台数が増加したこと等により、売上高は348億4,800万円(前年同期比15.7%増)となった。
セグメント利益は、拡販に向けて政策的な販売価格を設定したこと、子会社向けの製品販売価格を引き下げたこと、並びに製造原価及び運搬費が増加したこと等により、75億1,400万円(同17.0%減)となった。
<米国> 住宅工事、インフラ工事を中心に製品需要は高い水準を維持している。天候不良の影響で上期から下期に先延ばしにされていた製品販売は、当第3四半期以降に回復しているものの、上期で下回った分の全てを挽回するには及ばなかった。また、買入部品の調達制限の影響で米国セグメント向けの製品出荷を制限したことも影響し、ミニショベル及びクローラーローダーの販売台数は減少したが、プロダクトミックスの変化等により、売上高は427億1,100万円(前年同期比1.6%増)となった。
セグメント利益は日本セグメントからの製品仕入価格の値下げ等により、27億5,400万円(同17.4%増)となった。
<英国> 英国内の住宅工事やインフラ工事は旺盛なものの、EU離脱問題の長期化を背景に景気停滞感が強まる状況の中、製品購入に慎重な顧客が増加したため、ミニショベルの販売台数は減少した。この結果、売上高は87億7,400万円(前年同期比15.7%減)となり、セグメント利益は5億2,500万円(同7.9%減)となった。
<フランス> 2018年3月に市場投入したミニショベル「TB225」が引き続き販売好調であり、ミニショベル、油圧ショベルの販売台数が増加した。この結果、売上高は49億3,500万円(前年同期比2.0%増)となり、セグメント利益は、2億2.000万円(同23.8%増)となった。
<中国> ミニショベル及び油圧ショベルの販売台数が減少したこと等により、売上高は2億1,300万円(前年同期比44.8%減)となった。セグメント利益は、前年同期に計上されていた貸倒引当金の戻入が当第3四半期連結累計期間は繰入となったこと、及び日本セグメントへの部品供給が減少したこと等により、2,600万円(同92.9%減)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2020年2月期の通期連結業績予想は、2019年10月10日に公表した業績予想を下記の理由で修正した。
修正理由
竹内製作所は、2019年10月12日に上陸した台風19号の影響でサプライヤーが浸水被災したことに伴い、部品の供給が途絶え、しばらく供給再開の目処が立たない状況が続いた。
このため、代替部品による生産へと暫定的に切り替えつつ、出荷を継続してきた。その後、当該サプライヤーの事業再開に向けた復旧作業の進展により、2019年12月より部品供給が再開し、次第に供給数量が回復しつつある状況に至ったことから、このほど改めて通期の連結業績予想を見直した。
この結果、台風災害発生直後から生産調整を余儀なくされたことにより、2020年2月期年度末までの生産台数は前回予想を下回り、販売台数についても前回予想を下回ると予想したものの、第2四半期以降の前提為替レートを前回予想よりも円安に見直したことにより、通期の連結売上高は5億円減少の1,145億円となる見込みとなった。
利益面では、売上高の減少、出荷減による運搬費の減少、及び台風19号関連の対策コストの増加を見込んだこと等により、営業利益は3億円減少の120億円、経常利益は1億円減少の118億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1億5,000万円減少の85億55,000万円となる見込みとなった。
なお、第4四半期以降の前提為替レートは、1米ドル=108円、1英ポンド=141円、1ユーロ=120円、1人民元=15.5円としている。(前回予想では1米ドル=104円、1英ポンド=127円、1ユーロ=115円、1人民元=14.5円)
第3四半期決算説明資料(1月21日追加)
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