●年頭所感 日本建設機械工業会 会長 小川啓之

「持続可能な社会の実現に向けて」

 謹んで新年のご挨拶を申しあげます。会員各社並びに関係省庁・関係団体の皆様方には、平素より、日本建設機械工業会に格別のご支援とご厚情を賜り、厚く御礼申しあげます。

 昨年は、日本国内において、台風19号をはじめとするさまざまな災害が発生し、多くの被害をもたらしました。被害により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申しあげるとともに、被災された皆さまに衷心よりお見舞い申しあげます。一刻も早い被災地の復旧を心からお祈り申しあげます。

 また、海外においても米中貿易摩擦をはじめとする様々な動きがあり、緊張感を持って世界情勢を注視する一年となりました。世界の建設機械の需要は、企業によって差はあるものの、全体的には日本や北米を中心に需要が堅調に推移し、中国やインドネシアを中心としたアジア市場などにおいては需要が想定より減速しました。当工業会がまとめている建設機械出荷金額統計を見ると、1月から10月の海外への輸出総累計は対前年比4.7%減となりました。国内に目を向けると、新排出ガス規制に伴う駆け込み需要の反動減からの回復やインフラ関連工事需要の堅調さに加え、消費税増税前の駆け込み需要の影響等もあり、建設機械出荷金額統計では、1月から10月の国内総累計で対前年比10.9%増という結果となりました。

 当工業会では、これまで人々が安全かつ安心に暮らすために必要な基盤づくりに様々な形で寄与してまいりました。今後はさらに国土強靭化の取り組みとして、地震や台風などに起因する予期せぬ災害への迅速な対応なども必要となるでしょう。また、少子高齢化および建設労働人口低下により、特に国内の建設業界では、建設労働者のうち100万人以上が今後 10 年で高齢化等により離職すると想定されており、労働力不足が大きな課題となっています。こうした背景を踏まえて当工業会としては、安全・安心な社会を実現するための一助となるべく、より安全で、より生産性の高く、より環境に優しい建設生産プロセスを目指してICT/IoTを活用したソリューションを提供し続け、国土交通省の推進する情報化施工やi-Constructionのさらなる普及・浸透の一翼を担っていく所存です。またSDGsおよびESGにおいても会員各社の対応を促進し、持続可能な社会の実現に向けて、環境・省エネルギー・安全・法令遵守といった社会的な要請にも引き続き対応してまいります。

 最後になりましたが、皆様にとって、より良い一年となりますように祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせて頂きます。

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