・IoT×ロボットによるサービスを産学挙げて社会実装へ
人と共存するロボットの普及を目指す、大学・メーカー・コンテンツプロバイダーなどによるコンソーシアム「RSi (Robot Service initiative、ロボットサービスイニシアチブ)」と芝浦工業大学(東京都港区/学長 村上雅人)工学部機械機能工学科の松日楽信人教授、産業技術大学院大学(東京都品川区/学長 川田誠一)産業技術研究科の成田雅彦教授は、多種多様なロボットの連携システムを開発し、国際ロボット展(12月18日(水)~21日(土)、東京ビッグサイト)でデモンストレーションを公開する。
この実験では、会場内だけでなく国内外に点在するロボット約30台を連携し、Web経由でその稼働状況を確認できる「ロボットMap」に表示。ロボット同士が連携して動く様子もデモンストレーションする。この実験をもとに、さらに産学で連携した開発を進め、ロボットのIoT化の社会実装を目指す。
現在、各社・機関でコミュニケーションロボットをはじめとするサービスロボットや産業用ロボットなど、多様なロボットが開発されている。そしてさらに市場化を推進するには、IoTなどによるロボット間の連携が必須です。互いのデータを共有し連携することで、1機種では実現できないサービスを実施することができ、社会の多様な課題に対しても対応が可能になる。
一方で、異なるメーカーで開発されるロボットには共通の通信プロトコル(ネットワーク通信の際に必要な決め事)がない。さらに、単一の企業・団体がロボットのIoTを実用化するには多くのリソースを必要とし、その実現が困難。
■今回の概要
そこでRSiと芝浦工業大学、産業技術大学院大学は、サービスロボット用にRSiが開発した共通ネットワークプロトコル「RSNP(Robot Service Network Protocol)」を使い、ロボットのIoT の社会実装を見据えた実証実験を重ねてきた。製品化されているものも含めた多様なロボットやセンサが、共通のデータ書式でそれぞれの情報を品川にあるRSNPサーバーに送信・共有することで、複数のロボットと連携させることが確認できている。
今回の実証実験では、これまでのロボット15 台程度から30 台程度に規模を拡大。来場者へのあいさつの回数など、それぞれのロボットの稼働状況を共有サーバーにインターネット経由で送信する。このほかロボット間の連携の例として、卓上ロボットがヒューマノイドロボットに体操をするよう指示。ヒューマノイドロボットが体操を終えたらその情報を共有し、卓上ロボットが別の指示に移る、といったデモンストレーションを芝浦工業大学ブース(南S3-53)で行う。さらに連携したロボットの情報は、その稼働状況などと併せてWeb 上の「ロボットMap」で、PC やスマートフォンなどの端末から、どこからでも確認することができる(各連携・出展機関のブース内でも見られる)。
■今後の展開
例えば、複数の見守りロボットを施設内外に配置し、いつ、どこで、何が起きたかをWeb 上で確認できたり、卓上の案内ロボットと複数の移動ロボットが連携し、一番近くにいるロボットに荷物を運ばせたりできる。また施設内の地図を各ロボットが共有できれば、清掃やおもてなしといった施設でのサービスの実現がより容易になる。
今後は、地域の見守り・案内など、より規模を拡大した実証実験を計画して行きます。さらに社会実装を見据えた100 台規模の多様なロボットからのデータ活用、ロボット間での協調作業、そのためのデータの共通化、他IoT 機器との連携を考慮したサービス提供のアーキテクチャの構築を目指す。
なお、この活動はロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)の検討会活動の一環としても検討を進めている。
詳細は→ 【プレスリリース】IoT×ロボットによるサービスを、産学を挙げて社会実装へ 多種多様なロボットの連携システムを開発、国際ロボット展で公開します