・最適生産物流体制の構築を目指し、2021年4月に稼働開始予定
アサヒグループホールディングスは10月23日、アサヒビール名古屋工場(愛知県名古屋市)にPETボトル容器商品の製造ラインと物流倉庫を新設すると発表した。2020年1月より着工し、2021年4月の稼働を予定している。(アサヒビール事業場一覧)
PETボトル容器商品の製造ライン新設により、アサヒビール名古屋工場は、「カルピスウォーター」など年間約900万箱のPETボトル容器商品の製造が可能となる。また、ビール類や清涼飲料などを中部エリア向けに年間3,000万箱以上を出荷する物流拠点となる。設備投資金額は総額約120億円。特定の地域に集中した生産物流体制の平準化や、トラック輸送距離の短縮による環境負荷低減の推進を目指す。
【PETボトル容器商品製造ラインの新設】
新設する製造ラインでは主に、アサヒ飲料の乳性飲料「カルピスウォーター」や炭酸飲料「三ツ矢サイダー」などのPETボトル容器商品を製造する。2020年8月より着工し、2021年4月の稼働を予定している。調合設備、PETボトル内製設備と無菌充填設備、装製設備を導入するための設備投資金額は約50億円の見込み。
【物流倉庫の新設】
新設する物流倉庫では、従来のビール類などに加え、名古屋工場で新たに製造するアサヒ飲料のPETボトル容器商品を保管する。2020年1月より着工し、2021年4月の稼働を予定している。倉庫は、地上31m鉄骨造の自動倉庫で、建築面積約8,000㎡(延床面積約10,000㎡)。設備投資金額は約70億円の見込み。
現在のアサヒ飲料の生産物流体制は、関東地方に集中している。世界的に関心が高まっている温室効果ガス対策や、長距離トラック輸送のドライバー不足に伴う物流インフラのひっ迫等に対して、環境にやさしく持続可能な生産物流体制の構築が課題だった。
このような課題を解消するために、アサヒビール名古屋工場でPETボトル容器商品の製造ライン新設、物流倉庫の新設に設備投資を実施する。
一連の設備投資によりアサヒ飲料では、一部エリアに集中していた製造能力バランスの是正や輸送ネットワークの効率化により最適な生産物流体制が構築される見込み。さらに、これまでの製品輸送量の削減や輸送距離の短縮が図られることで、年間のCO2排出量は約3,400t削減できると試算している。
アサヒビール名古屋工場は1973年の操業開始以来、ビール類などの酒類を製造する工場として稼働してきた。今回の設備投資によって、ビール類と清涼飲料の製造・物流拠点となる。アサヒグループ全体のさらなる最適生産物流体制の構築、「アサヒグループ環境ビジョン2050」に則った環境にやさしい事業活動の推進を目指す。
<工場概要>
名称:アサヒビール(株)名古屋工場
創業:1973年
現在の主な製造商品:「アサヒスーパードライ」「クリアアサヒ」を中心としたビール類など