・熱変形抑制により高い加工精度の安定性および生産性を追求
・サーモスタビライザコラムと主軸冷却機構を採用、第一弾として主軸径130mm機種を商品化
・自社主催の「マシンツールフェア」で初披露、産業機械の基幹部品加工向けなどにアピール
三菱重工グループの三菱重工工作機械(本社:滋賀県栗東市)は7月24日、高い加工精度の安定性および生産性を追求したテーブル形横中ぐりフライス盤の新シリーズ「MAF-E II」を開発、その第一弾として中ぐり主軸径130mmの「MAF130E II」を商品化した。長時間の連続運転でも熱変位による加工精度低下を抑えるため、温度変化による変形を防ぐサーモスタビライザコラムならびに主軸冷却機構を強化した主軸ユニットを採用。併せて、主軸の高出力・高トルク化により生産性向上を実現したもの。7月25・26日に本社工場で開催する「マシンツールフェア」で披露し、本格販売を開始する。
MAF-E IIは、2012年に市場投入したテーブル形横中ぐりフライス盤シリーズ「MAF-E」の強みを踏襲しつつ、大型部品加工のさらなる高精度・高能率化ニーズに対応するために開発した。特に、産業機械の基幹部品やエネルギー関連の部品については、昨今、より高精度化が求められており、熱変形を抑えたMAF-E IIの優位性が期待される。
サーモスタビライザコラムは、比熱が大きい温度制御媒体をコラム(柱状構造体)に封入することで、外気温の変化に伴う熱変形を抑制できる。主軸冷却機構は、軸受ハウジングとギヤボックスの冷却で、主軸回転中の熱変位を極小に抑える。加えて、主軸の出力は37kW、主軸トルク(連続/30分定格)は2,953/3,643 N・m(ニュートン・メートル)とこのクラス最大級で、幅広い条件で高い切削性能を発揮する。また、摺動面には幅広の角ガイドすべり摺動機構を採用し、剛性を高め安定した精度と高い生産性を実現した。
マシンツールフェアでは、大型工作機械や精密加工機、パウダDED方式金属積層造形機(金属3Dプリンター)、およびモニタリングシステムなど三菱重工工作機械が展開する多様な商品とともにMAF-E IIも紹介。各種機械加工現場に応じた最適ソリューションを提案する。
三菱重工工作機械は、MAF130E IIの市場投入を弾みとして、門型五面加工機MVRシリーズと組み合せた加工プロセスを提案し、顧客の生産に寄与するものづくりに努めていく。
コメントを投稿するにはログインしてください。