大成建設とエクサウィザーズ(本社:東京都港区)は2月20日、大成建設が開発した力触覚伝達型遠隔操作システム(以下、遠隔操作システム)とエクサウィザーズが開発したマルチモーダルAI(以下「AI」)を組み合わせ、ロボットアームの動作検証実験を実施した結果、遠隔操作システムと「AI」の連携により、ロボットアームの自律動作が可能であることを確認したと発表した。
近年、人手不足や長時間労働などの社会的な課題を背景に、生産施設などにおいて自動化や省人化を推進するための産業用ロボットの需要が拡大している。しかし、ロボットを自律動作させるためには、作業内容を記録・学習する「ティーチング作業」に時間と費用がかかるため、取り扱い品目が多様で労働集約型の作業が多い食品工場や、品質管理工程などで少量多品種を取り扱うような医薬品製造施設では、ロボット導入の潜在的ニーズが大きいものの、普及が進みづらい状況にあった。特に、粘性が異なることや、注ぎ終わりから計量までの状態変化を予測する必要がある液体秤量は困難とされていた。
そこで両社は、遠隔操作システムにおける特定の作業について、人間が事前に行った遠隔操作データを収集し、手本となる元データをディープラーニング(深層学習)によって「AI」に学習させ、作業時動作の学習モデルを構築することで、ロボットアームが人間の操作と同様の動きを自律的に再現できることを検証した。
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