日立造船、米国初のコンポガスプラントが稼動開始

 日立造船と子会社Hitachi Zosen Inova AG(スイス、以下HZI)は11月20日、11月15日に米国カリフォルニア州サン・ルイス・オビスポ郡に建設したコンポガスプラントの稼動を開始したと発表した。同プラントでは、今後20年にわたって廃棄物処理、電力および堆肥の販売を行う。プラント建設の資金調達は、国際協力銀行(JBIC))が49%、三菱UFJ銀行が51%から成る協調融資によるもの。

 HZIの桑原会長は、「HZIにとって本プラントは初めてのDBFOO*案件であり重要なマイルストーンと捉えている。一方、本プラントは地域に対する電力や堆肥の供給に加えてカリフォルニア州における温室効果ガス排出量削減に貢献できるものと考えている」とコメントした。

 現在カリフォルニア州は、埋立地や畜産場から発生するメタンガスが温室効果ガス発生原因の第2位となっていることから、2020年までに固形廃棄物を75%削減する目標を掲げている。さらに全電力に占める再生可能エネルギーの比率を2030年までに50%とする目標が設定されている。

 日立造船およびHZIは、年間500万トンの食品残渣が埋立て処理され、厳しい環境目標の達成が求められる同州ひいては全米において、今回稼動するコンポガスプラントをモデルケースとして技術優位性や運転データ等を蓄積・実証し、コンポガス事業を拡大していく。

*DBFOO:Develop, Build, Finance, Own, Operateの略。民間事業者が国や地方公共団体に施設所有権を譲渡することなく、資金調達、 設計、建設維持管理および運営する方式

<事業の概要>

事業者(SPC):Kompogas SLO LLC*

事業内容:コンポガスプラントの建設・運営

建設地:米国 カリフォルニア州 サン・ルイス・オビスポ郡

建設期間:2016年12月~2018年11月

EPC事業者:Hitachi Zosen Inova U.S.A. LLC

運営期間:2018年11月から20年間

*Kompogas SLO LLC:米国でコンポガス事業を推進するため、日立造船グループの出資で設立した特別目的会社

<コンポガスプラントの主仕様>

廃棄物処理量:33,000トン/年(植物ごみ、食品残渣)

ガス生成量:2,900,000N㎥/年

発電出力:730kW

残渣量:20,000トン/年(固形堆肥、液肥)

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