日立プラントメカニクス、AIを活用した安全運転支援機能と故障予兆診断機能を搭載する天井クレーン「Aicrane」を開発

 ㈱日立プラントメカニクスは8月8日、AIを活用した安全運転支援機能(*1)およびインバータ故障予兆診断機能を搭載する、新モデルの天井クレーン「Aicrane(アイクレーン)」(*2)を開発したと発表した。今後、2018年9月からの顧客との実証実験を経て、2018年度中に販売を開始する予定。

 今回新たに開発した安全運転支援機能は、クレーンに搭載したカメラとLIDAR(*3)から取得したデータをもとに、AIを活用した独自の画像認識技術を用いて、作業者と吊荷対象物までの距離などから算出した危険度にもとづき減速・停止や音声アナウンスをすることで、事故の防止に貢献する。インバータ故障診断機能は、クレーンを制御するインバータに組み込まれたIGBT(*4)における電圧データの変化を元に独自のシミュレーションを行うことで、寿命予測を可能とし、クレーンの安定稼働とライフサイクルコストの低減を支援する。

 また、「Aicrane」は、2017年4月から販売している天井クレーンの振れ止め制御機能*5も搭載しており、吊荷の落下や衝突などのリスクを低減し、作業現場の安全性を高めるとともに、吊荷の巻き上げ・運搬時のタクトタイム短縮により、作業効率向上も実現する。

 日立プラントメカニクスは、今後、天井クレーン「Aicrane」を積極的に拡販することで、顧客の作業現場の安心・安全や安定稼働、作業効率の向上に貢献していく。また、将来的にはデータやAIを活用することで、熟練オペレーターの運転を再現したクレーンの自動運転の実現をめざす。

*1 国土交通省が進めている先進安全自動車(ASV)の基本理念と同様に運転手の意思を尊重し、運転手の安全運転を支援するもの。

*2 「Aicrane(アイクレーン)」は、日本における日立プラントメカニクスの商標登録です。

*3 LIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging):反射光から対象の距離や方向を測定する装置。

*4IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor):絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。

*5 2017年3月30日リリース「振れ止め制御機能搭載の天井クレーンを販売開始」 http://www.hitachi-hpm.co.jp/pdf/control_hpm20170322.pdf

*6VCE電圧:コレクタ-エミッタ間電圧。

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