■2019年1月より稼働開始、首都圏の需要増に対応
アイカ工業(本社:名古屋市中村区)は7月3日、高級人造石「フィオレストーン」の加工・出荷を担う新工場を茨城県古河市に建設すると発表した。茨城新工場への総投資額は約10億円で、2019年1月より稼働を開始する予定。
7月2日(月)に新工場起工式を執り行い、工事関係者、アイカ工業より小野勇治社長、岩瀬幸廣専務、森良二常務、新工場を運営するアイカインテリア工業より太田泰生社長が出席し、工事の安全と事業の発展を祈願した。
■新会社・新工場設立の背景と目的
世界的に良質な大理石が入手困難となる中、インテリア業界では天然の水晶などを樹脂をつなぎにして成型したクオーツストーン(エンジニアドストーン)と呼ばれる人造石への需要が拡大している。アイカ工業は、2011年に国内初のクォーツストーンオリジナルブランドとして「フィオレストーン」を発売し、高級マンションのキッチン天板用途を中心に市場シェアを拡大してきた。天然石の風合いを保ちながらも石の弱点であるもろさや吸水性を克服し、メンテナンス性にも優れた点が評価されている。オフィス・商業施設・ホテル・駅・空港などの洗面カウンター用途や受付カウンター用途の需要も取り込みながら、クォーツストーンの国内シェアNo.1ブランドへと成長している。
今年度以降も、首都圏を中心とした大型物件の受注計画により「フィオレストーン」の更なる売上拡大が見込まれることから、現在外部工場へ委託している加工工程を行う拠点を増設するため、アイカ工業の茨城工場(現在は化成品事業のシリコーン製品の生産工場)の敷地内に新工場を建設する運びとなった。新工場の運営は、カウンターの開発や加工に強みを持つアイカ工業100%子会社のアイカインテリア工業が担う。なお、新工場稼働に向けて、約30名の新たな雇用を創出する予定。
新工場の稼働により、フィオレストーン加工品の生産能力を約8割増強し、現在4~6週間程かかる納期を約3週間に短縮できる見通し。また、これまで中部や北陸地方の外部工場へ委託していた加工拠点に、主な納入先である東京都市部に近い茨城工場を追加することは、物流コストの削減にもつながる。今後、フィオレストーンを含むアイカ工業の人工大理石事業全体として、2020年度に売上高50億円の実現を目指す計画。
<新工場概要>
所在地:茨城県古河市大和田1778番地
延床面積:約3,436㎡(新工場と事務棟の合計)
工期:2018年5月~12月
稼働開始:2019年1月(予定)
雇用創出:約30名(予定)
総投資額:約10億円(茨城工場全体)