コベルコ建機、広島大学に「夢源力(むげんりょく)共創研究所」を設置

 コベルコ建機(本社:東京都品川区)と広島大学は4月18日、広島大学が新たに設けた「民間企業等外部機関の研究所制度」※1を利用した第1 号として、「コベルコ建機夢源力共創研究所」※2 を4 月1 日に広島大学内に設置したと発表した。

 「コベルコ建機夢源力共創研究所」は、複数の共同研究講座等を統括・マネジメントする機能を持った研究所として、共同研究講座、共同研究、学術指導に関する契約を同研究所の下に締結することで、今まで以上に高い次元での組織対組織の研究活動を可能とするとともに、産業・学術の両面で高い成果に結び付けていくものとなる。

 記念式典でコベルコ建機の楢木一秀社長は、「昨今、高齢化による労働者人口減少、安全を含めた労働者や周辺環境への対応が強く求められている状況がある。これまでの共同研究によって、油圧ショベルの操作性・生産性向上につながる成果も出ており、夢源力共創研究所の設置により、さらに多岐にわたる研究や情報共有、連携が進むものと考えている。私たちがこれから創出していく成果が、現在そして未来の社会課題に貢献できるものとなると確信している」と述べた。

 また、広島大学の越智光夫学長は、「このたびの研究所設置は、新たな価値共創型の共同研究及び人材育成の推進を図ることで社会貢献を推進することを目的としている。この研究所を通して、建設機械における直近の技術開発上の課題解決に加え、次世代の新たな価値創出につながる技術開発を目指し、組織的な産学連携活動を行っていきたい。加えて、これを足掛かりに広島県、広島市、東広島市、県内の関係研究機関、関係企業との協力関係へと拡げていきたい」と述べた。

 コベルコ建機と広島大学は2007 年より共同研究をスタートし、2015 年7 月には共同で設置した「共同研究講座」において、快適性の向上等を目的とした高機能油圧ショベル技術の研究開発を行い、2016 年には広島大学との包括的研究協力に関する協定書を締結するなど、多角的に産学連携を進めてきた。

 また、広島大学が中核拠点となる文部科学省事業の「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」にコベルコ建機も参画しており、他の大学、また広島県内を中心とする他の企業とともに、感性の可視化、定量化の共同研究を進めている。

 なお、コベルコ建機と広島大学は、地域社会への支援・地球環境の保護を目的として「コベルコ建機基金」※3 を活用し、2008 年から「中学生レスキューロボットチャレンジ」※4 を行っている。

※1 民間企業等外部機関とともに、広島大学内に共同研究組織を設置し、「組織」対「組織」連携による高度な相互理解と信頼を前提とした、新たな価値共創型の共同研究及び人財育成の推進を図ることにより、社会貢献を推進することを目的とするもの。

※2 「夢源力」=それぞれが持つ「夢」を「共創(共に創り)」し、この夢を実現しようとする思いを「力」の「源」とし、これが実現する世の中を創っていくという意味が込められている。

 【コベルコ建機㈱】「広島大学との夢源力共創研究所設置について」