■戦略商品として、売上を2020年に160億円まで拡大
㈱島津製作所は12月8日、省スペースかつ低ランニングコストながら排気性能に優れた小型のターボ分子ポンプ「TMP-B70形」を8日から発売すると発表した。同社では同ポンプを戦略商品としており、製品は全世界に展開、発売から1年間で合計650台の販売を見込んでいる。
同製品は、小型真空排気装置のような産業機器や光学機器、質量分析計や表面分析装置、電子顕微鏡のような分析機器への組み込み用途のほか、様々な研究用途で利用しやすい小型モデル。タービンを支える軸受部や制御機構の最適化により、低消費電力に加えてメンテナンス頻度を減らして長寿命化を実現した。また、磁気軸受とセラミック玉軸受の組み合わせ軸受方式のターボ分子ポンプとしては、同口径で業界トップクラスの排気性能を有している。価格は70万円から。
ターボ分子ポンプは、高速に回転するタービンによって高真空状態を作り出すことができる真空ポンプ。ターボ分子ポンプの中でも、磁気軸受とセラミック玉軸受を組み合わせた方式を採用する小型モデルは、真空プロセスが必要な産業機器や分析機器のキーコンポーネントのひとつとして重要な役割を担っている。
島津製作所は、2014年に発売したターボ分子ポンプ「TMP-B300形」を通じて小型ターボ分子ポンプ市場に本格参入した。ターボ分子ポンプは同社の戦略商品であり、2017年3月期の売上高は143億円。2020年3月期には売上高を160億円まで引き上げる方針。
このような計画のもと、島津製作所は、産業機器・分析機器市場の拡大にともなって多様化するニーズに応えることを目的に、「TMP-B300形」よりも小型な「TMP-B70形」を開発した。