三井住友建設、スリランカで建築・土木のODA建設工事を相次いで受注

 三井住友建設は9月29日、スリランカにおける建築、土木の日本政府開発援助(ODA)建設工事(大学施設と橋梁)を相次いで受注したと発表した。

 三井住友建設は、1978年にスリランカに進出し、同国国会議事堂を初めとして多くの建設工事実績がある。ODA事業の学校や病院だけでなく、民間事業でも工場、倉庫、オフィスビル等、1980年代から1990年代に実績を伸ばしたが、内戦拡大のためいったんは撤退し、今回約8年ぶりの再進出となる。

■ジャフナ大学農学部研究研修複合施設設立計画

 スリランカでは識字率が92%を超え、発展途上国では非常に高い数値で、教育に熱心な国の姿勢が窺がわれる。国立大学15校を含め全ての公立学校は無償で教育を受けることが出来る。ジャフナ大学はそのうちでも同国最北部に位置し、地域における唯一の農学部として農業の生産性改善に貢献すると期待されている。しかし内戦に絡んで施設は不十分かつ老朽化しているため、今回、研究研修複合施設など大小6棟の校舎等を建設するもの。

《工事概要》

工事名称:ジャフナ大学農学部研究研修複合施設設立計画

発注者:スリランカ民主社会主義共和国高等教育高速道路省

工事監理:株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル

設計監理:同上

請負金額:約10億円

工期:18カ月

 施工場所:キリノッチ県

 工事概要:

 既存の大学キャンパス敷地内に大小6棟の校舎等を建設

 (1)研究研修棟:2階建て、延床面積3,741m2

 (2)作業訓練棟:1階建て、延床面積337m2

 (3)農場管理棟:1階建て、延床面積592m2 他

■ケラニ河新橋建設事業 パッケージ2

 スリランカでは堅調な経済成長(2016年4.3%)を背景に自動車登録台数の伸びが著しく、特にコロンボ市内においては朝晩の通勤・通学時間帯を中心に、交通渋滞の悪化が急速に進んでいる。なかでも既存のケラニ橋は、同国第ニの都市キャンディーへ通じる国道A01号線、国際空港に通じる国道A03号線などの4本の幹線道路が1箇所に集中する交通の要衝となっているため慢性的な渋滞が発生している。

 工事は、ケラニ河に新橋(パッケージ2)及び高架アクセス道路(パッケージ1)を建設することにより、ケラニ河周辺地域の交通分散化と慢性的な交通渋滞を改善することを目的として計画された。

《工事概要》

工事名称:ケラニ河新橋建設事業 パッケージ2

発注者:スリランカ民主社会主義共和国高等教育高速道路省 道路開発庁

工事監理:株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル・株式会社片平エンジニアリング・Consulting Engineer and Architects Associated Pvt.Ltd.・Project Management Assosiate International Pvt.Ltd.共同企業体

設計監理:同上

施工者:三井住友建設・サンケンコンストラクション共同企業体

請負金額:約69億円(JV総額)

工期:36カ月

施工場所:コロンボ市内ペリアゴダ地区

工事概要:工事全長1,185m

主橋(同国初のエクストラドーズド橋)全長380m、6車線

取付橋 全長625m、5-6車線 取付道路 全長180m、6車線

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