日本貿易保険 (NEXI)は9月19日、2017年8月30日に英国の輸出信用機関(ECA)である英国輸出信用保証局(UK Export Finance、以下UKEF)との間で締結した再保険協定に基づき、UKEFが行うLOTポーランド航空向けボーイング787-8型機、2機の輸出信用につき、再保険の引受を決定したと発表した。この案件は、同協定下の第1号引受案件となる。また、第2号案件として、ノルウェー・エアシャトル向けボーイング787-9型機、4機の輸出支援の再保険引受も併せて決定した。
UKEFは、ボーイング787型機に搭載される英国ロールスロイス社(Rolls-Royce Holding plc)製のエンジン「Trent 1000」の輸出支援を行うため787型機の輸出信用供与を決定しており、NEXIがUKEFから再保険を引き受ける形で協調することになる。
ボーイング787型機は、高効率性を誇る新型航空機として、2011年に運航開始。2017年8月末時点で世界60 社を超える航空会社やリース会社によって589機が運航されている。
ボーイング787型機の機体開発・製造では、日本企業がパートナーとして米ボーイング社との共同開発に参画、主翼、前胴及び中央翼等を担当し、生産分担割合は機体構造部分の約35%となっている。またボーイング787型機に搭載のエンジンについても日本企業が国際共同開発に参画しているほか、構造材料(炭素繊維複合材料)や航空機部品(タイヤ、ラバトリー、ギャレー及び客室サービスシステム等)を含め、日本企業がその製造に幅広く関与している。
今回、NEXIがUKEFと協調してボーイング787型機の輸出支援を行うことは、当該航空機開発・製造に係る国際共同プロジェクトを輸出信用面から支援する意義を有している。
LOTポーランド航空はポーランド政府国営ナショナルフラッグキャリアとして、国内線・国際線の運航をしている。ノルウェー・エアシャトルは、1993年に設立された北欧発の格安航空会社で、近年は長距離国際線の増強などに注力している。これら案件の引受は、航空需要の高まる両国及び地域の交通インフラ整備を通じ、当該地域の経済発展を支援する意義もある。