国際ロボット連盟(IFR)、中国のロボット需要は2020年まで年平均15~20%増と予測

■中国は自動化で歴史的記録を破る

 国際ロボット連盟(IFR、独フランクフルト)は8月16日、急速にオートメーションの世界的リーダーになっている中国のロボット需要予測を発表した。それによると、中国は2018年から2020年にかけて、産業用ロボットでは年平均15〜20%の売上増加が可能としている。2016年の販売台数は過去最高レベルに達し、前年比27%増の87,000台となった。産業用ロボットの稼動在庫は世界最高レベルとなると同時に、中国のロボットメーカーは、自国の市場シェアを拡大しているとされている。

 国際連合ロボット連盟(IFR)のジョー・ジェムマ会長は、「中国は、年間売上高と運営在庫に関する世界最大のロボット市場である。これは世界で最も急速に成長する市場です。他の市場でこのような短期間でこのようなダイナミックな上昇があったことはありません」と語った。

■電気および電子産業が牽引役

 中国における最新の成長の主な要因は、電気・電子産業。売上高は75%増加し、ほぼ3万台(2016台)に達した。ロボットの約3分の1は、中国のロボットサプライヤーによって生産されたもので、売上高は約120%以上と倍増した。また、国際的なロボットサプライヤーはすべて、電気・電子産業(+ 59%)への売上を大幅に伸ばした。この顕著な需要は、今後さらに拡大するだろう。電子機器の大手契約製造業者はすでに生産を自動化し始めている。例えば、半導体およびチップ産業は、自動化に強く投資してきた。ますます増え続ける電気自動車やハイブリッド車の需要に対応するために、大規模なバッテリー製造施設が設置されている。

■自動車産業はポールポジションを失った

 自動車産業は電気・電子産業へのポールポジションを失ったが、依然として産業用ロボットの販売にとって強力なドライバーである。中国は、世界最大の自動車市場と、世界最大の電気自動車を含む自動車の生産拠点となっており、成長の可能性が高い。中国への販売は、2016年に産業用ロボットの世界的な供給量の25%を自動車産業に提供した。2011年から2016年にかけて合計108,000台が設置され、年間平均18%の増加となった。自動車産業における中国のロボットサプライヤーの市場シェアは依然として低レベルだが、10%から13%に増加した。中国は、すべての種類の消費財に対する需要の高まりに伴い、成長が最も大きい消費者市場である。その結果、様々な業界でも生産能力の拡大と生産の自動化が開始されている。

 一部の国際ロボットサプライヤーは既に中国に生産工場を立ち上げており、今後数年後にはさらに多くのロボットが追随するだろう。中国のほとんどの産業用ロボットは、日本、韓国、ヨーロッパ、北アメリカから輸入されている。

■中国の2020年見通し

 中国政府は、10年国家計画「Made in China 2025」(中国製造2025)に基づき、中国を製造業の巨人から世界の製造業界に変えたいと考えている。この計画には、中国のロボットサプライヤーを強化し、中国および海外の市場シェアをさらに拡大することが含まれる。 中国は2020年までに世界のトップ10の最も集中的に自動化された国に進出させようとしている。その時までに、ロボットの密度は150台に達することを目標にしている。これは10,000人の従業員あたりの産業用ロボットの台数だ。今日、アジアは531台のロボットユニットを持つ韓国のロボット密度に関するリーダー。米州では176台のロボットを持つ米国、ヨーロッパでは301台のロボットを持つドイツである。

<IFR中国のデータ概要>

中国 – 2016年の新しいピーク

販売:87,000台の新規ロボットが設置されており(その中で、中国のサプライヤーから約27,000人)、2015年に比べて27%増

  • CAGR 2011-2016:+ 31%
  • グローバルランキング2016:No.1
  • 総供給量:ハンドリング作業45%、溶接26%、

電気/電子産業35%、自動車産業30%

運用ロボットの在庫

  • 約34万台(2015年比33%増)
  • CAGR 2011-2016:+ 36%
  • グローバルランキング2016:No.1

 これらは、9月27日にリリースされるWorld Robotics Report 2017に先立ち、国際ロボット連盟(IFR)によって発表された。

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