プライメタルズテクノロジーズ、台湾のCSC よりスラブ連続鋳造機の近代化を受注

 プライメタルズテクノロジーズは8月10日、台湾の鉄鋼メーカーであるチャイナスチール(China Steel Corporation、CSC)より同社高雄製鉄所向けに、スラブ連続鋳造機6号機(S6)の近代化工事を受注したと発表した。近代化した連鋳機は、2018 年中頃に稼働を開始予定。

 CSC は台湾を代表する薄鋼板製造メーカーで、年産能力およそ990万トンのうち約2/3 は台湾国内向け、残りは輸出向けに出荷しており、高雄市の同社製鉄所は、転炉工場2棟に7基の2ストランド(条)式スラブ鋳造機と、3基の4ストランド式ブルーム鋳造機を保有している。このうちスラブ鋳造機は主に炭素鋼および低合金鋼を生産しているが、2005 年には、4号機(S4)及び5号機(S5)をプライメタルズテクノロジーズが近代化していた。

 今回の近代化工事の対象となるスラブ連鋳機6号機は1996年に稼働を開始していたもので、2ストランド式でストレート形状の鋳型を装備し、湾曲半径は約9メートル、凝固完了長さは約44.7 メートル。厚さ250ミリメートル、幅750~1,880ミリメートルのスラブが生産可能で、極低炭素鋼、低炭素鋼、包晶鋼、低合金高張力(HSLA)鋼、マイクロアロイ鋼、低合金鋼および鋼管用鋼などの鋼種に対応している。

 同プロジェクトでは、スラブサイズの柔軟な変更と製品品質の向上、ブレークアウト(溶鋼の湯もれ)の最小化を目的として、旧式設備や不要設備の置換と鋳型モールドの近代化、実証済みの技術パッケージ導入を行うが、拡張機能の追加も可能となる。

 今回の近代化では、鋳造の最中であっても正確にスラブ幅の変更が可能な油圧式幅調節機構「DynaWidth(ダイナウィズス)」、ブレークアウトを最小限とするブレークアウト防止・モールド監視システムである「Mold Expert(モールドエキスパート)」、そして鋳造製品の表面品質を最高レベルに引き上げるために、新方式のフレームタイプオシレータを採用して鋳造中でも柔軟に制御可能な油圧式モールドオシレータ「DynaFlex(ダイナフレックス)」の3つの技術パッケージを新たに装備する。

 プライメタルズテクノロジーズは、主要機器及びシステムの設計と納入、建設及び試運転のサポートを担当する。一方で、モールド部品とダイナフレックス用となる新方式のフレームタイプオシレータは、CSC の子会社である台湾のチャイナスチールマシナリー(China Steel Machinery Corporation、CSMC)が製造する。

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