プライメタルズ、オーストリアのフェストアルピーネからブルーム連続鋳造機を受注

 プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies, Limited)は8月3日、オーストリアの製鉄会社であるフェストアルピーネ・シュタール・ドナウビッツ社(voestalpine stahl Donawitz GmbH)から、同社レオーベン製鉄所向けの4ストランド(条)式連続鋳造機を受注したと発表した。プラントの稼働開始は2019 年末の予定で、同タイプでは世界最新鋭の連鋳機となり、インダストリー4.0 にも対応している。

 今回供給される連続鋳造機の4号機(CC4)は、既存の2号機(CC2)をリプレースするもので、最高品質のブルームを4ストランド操業で年間 95 万トン生産できるように設計されており、将来的には、ストランドの追設で 5 ストランド式へ改造して生産量を拡大することも可能。

 連鋳機は、直径 230ミリメートルの円形ブルームに加えて、断面 270 x 360ミリメートル並び 440 x 330ミリメートルの長方形ブルームの生産が可能で、鋼種としては鉄道レール用鋼、表面硬化鋼、機械加工用鋼、継目無管用鋼、熱処理鋼、ばね鋼、冷間圧造および冷間押出鋼、タイヤコード鋼、冷間加工鋼、ベアリング鋼および溶接棒鋼などが製造可能。

 このブルーム連続鋳造機には油圧式モールドオシレータ機構「DynaFlex(ダイナフレックス)」と鋳型の湯面レベル制御システム「LevCon(レブコン)」を装備し、さらにダイナミック軽圧下システム「Dynamic Soft Reduction(ダイナミックソフトリダクション)」、ローラー間隔を完全自動制御するストランドガイドシステム「DynaGap 3D(ダイナギャップ3D)」、二次冷却システム「Dynacs 3D(ダイナクス3D)」の併用により、均一で高品質なブルームの鋳造品質が確保される。さらに、Dynacs 3D によって稼働範囲を制御するオンラインの移動式ストランド撹拌装置が搭載される。保温ボックスへの搬入および搬出用として、在庫管理用生産計画システムと連動した完全自動制御のクレーンも設置される予定。

 プライメタルズ テクノロジーズは、基本および詳細エンジニアリング、メカトロニクス機器及び統合オートメーションを含むプラントの機器納入と組立て、試運転の監督を担当する。

 フェストアルピーネ・シュタール・ドナウビッツ社は、産業用鉄鋼製品を幅広く供給する総合製鉄会社であるフェストアルピーネ社(voestalpine AG)の子会社として、オーストリア中部のレオーベンで、コンパクトながら世界最新の LD 製鉄所を運営している。

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