日揮の米国法人であるJGC US Projects, LLC(以下JGC US プロジェクト社)は7月7日、米Kiewit Energy Group Inc.,(以下キウイット社)および米Black & Veatch Construction, Inc., (以下ブラック&ビーチ社)と共同で、米ジョーダンコーブLNG社が米国西海岸で計画するジョーダンコーブLNGプラント建設プロジェクトを受注したと発表した。受注額は非公表。
同プロジェクトは、米国ロッキー山脈周辺、およびカナダ南西部で産出される豊富な天然ガスを原料として生産されるLNGを、日本をはじめとするアジア諸国へ輸出するプロジェクト。
北米西海岸において生産されるLNGは、アジアへの輸送コストの面で競争力があり、これまで同地域において複数のLNGプロジェクトの実施が検討されているが、同プロジェクトは米国西海岸で初めてEPC契約に至ったプロジェクトとなる。
これまで、キウイット社およびブラック&ビーチ社による日揮グループと、他社グループが並行して基本設計(FEED: Front End Engineering and Design)を進めていたが、ジョーダンコーブLNG社は日揮グループのFEEDパッケージやEPC遂行プラン、経済性等を評価し、今回日揮グループへのEPC役務の発注を決めたものと考えている。ジョーダンコーブLNG社は2024年の生産開始を目指し、2019年を目途に最終投資判断を行うことを予定している。
現在、世界的に供給過剰となっているLNGの需給バランスは、主としてアジア圏での需要拡大見通しを背景に2020年代前半に均衡し、その後供給不足になることが予測されている。LNGプラントの建設期間は、4年から5年必要となるため、現在、メジャーオイルなどにより北米で計画されているLNGプラントの最終投資決定が、2018年から2019年以降に実施されることが期待されている。同プロジェクトもLNGに関するこれら北米市場での動きの一環であると考えられる。
日揮は、世界のLNGプラント全生産量のうち、約30%のLNGプラントの建設実績を有しており、LNGプラントのトップコントラクターとして積極的な営業活動を展開し、今後、進展が期待されるLNG計画の実現に貢献していくとしている。
<プロジェクトの詳細>
契約先:ジョーダンコーブLNG社(Jordan Cove LNG LLC)
建設場所:アメリカ合衆国オレゴン州クーズベイ地区(オレゴン州南西部太平洋岸)
契約:最大で年産780万トン(5系列合計)の天然ガス液化設備、ガス貯蔵設備、およびLNG出荷施設に係る設計・調達・建設工事(EPC)役務
契約形態:ランプサム契約
受注金総額:非公表