日立造船のグループ会社で、バイオガス精製装置の設計、製造などを展開するHitachi Zosen Inova BioMethan GmbH(ドイツ、CEO:Karsten Wunsche、以下HZIBM)は4月4日、フランスのバイオガスプラント事業者向けにバイオガス精製装置を納入したと発表した。
HZIBMは、日立造船の100%子会社で欧州におけるごみ焼却発電プラント(以下、EfWプラント)建設事業でトップシェアを有するHitachi Zosen Inova AG(スイス、以下HZI)が、2015年に子会社として発足させたドイツのバイオガス精製装置メーカー。
この案件は、フランスのセーヌ・エ・マルヌ県 ブリ・コント・ロベールに建設されたバイオ廃棄物や農業廃棄物からメタンガスを製造するバイオガスプラントに、HZIBMがバイオガス精製装置を納入し、近日中に引き渡すもの。
精製装置によりバイオガスに含まれるCO2を除去し、バイオメタンを生産。その後、メタンガスはフランスのガス配給事業会社であるGaz Reseau Distribution France (GRDF) へ供給される。本プラントのバイオメタン生産量は、運転開始時は130Nm3/hだが、稼動後、段階的に投入する廃棄物量を増やし、生産量を260Nm3/hへ倍増させる予定になっており、HZIBMは将来の生産能力拡大に対応できる設計を提案した。
HZIBMは現在、フランスにおいて、この案件以外にも5つのプロジェクトに取り組んでおり、欧州では、バイオガスプラント向けのバイオガス精製装置導入の需要が見込まれている。HZIは、2015年にHZIBMの前身であるMT-BioMethan GmbH(ドイツ)からバイオガス精製における技術・ノウハウ、実績、特許、工場など資産一式を取得して、HZIBMを発足しており、今後も同様の工事の受注を目指す。
日立造船グループは、ごみ焼却発電プラントやバイオガスプラントなどで最先端の技術を国内外の顧客に提案し、再生可能エネルギーの普及やCO2削減、資源循環型社会の形成に積極的に貢献していく。
<装置の概要> ▽精製方式:メンブレン方式▽生産能力:260Nm3/h▽所在地:フランス セーヌ・エ・マルヌ県 ブリ・コント・ロベール