NTTグループと大成建設、IOWN APN・ローカル5G・60GHz帯WiGigを組み合わせ

・異なるメーカーの複数重機を1操作卓で遠隔操作・自動制御に成功

・三重県2拠点間接続で土砂掘削・運搬・敷均しの一連工程を無人化 広域現場での安定運用を実現

NTTNTT東日本大成建設の3社は4月10日、建設機械の遠隔操作・自動制御技術の高度化に向けた共同実証実験で大きな成果を上げたと発表した。

IOWN APN(All-Photonics Network)を中継回線に、ローカル5G(ギガらく5Gセレクト)と60GHz帯無線LAN(WiGig)を現場無線に組み合わせ、1台の操作卓から異なるメーカーの重機3台(油圧ショベル、クローラーダンプ、ブルドーザー)を同時に遠隔操作・自動制御することに成功した。

実証は2026年2月2日~27日の期間、三重県内の遠隔操作拠点と実証現場(約300m四方の広域エリア)で行われた。通常3人体制で行う複数重機連携作業を、1人のオペレーターが遠隔操作卓で完結。MC(マシンコントロール)・MG(マシンガイダンス)機能も従来の同一敷地内利用と同等の精度で動作し、ドローン空撮による大容量現況地盤データの伝送時間もIOWN APNにより従来の約1/8に短縮された。

■低遅延・低ジッタが鍵 用途別無線ネットワークを構築

建設業界が直面する技能者不足・長時間労働対策として、i-Construction 2.0で推進される施工オートメーション化の核心技術となる。従来の課題であった「重機の長距離移動・旋回時の安定通信」と「複数高精細カメラ映像の同時伝送」を解決するため、以下の無線環境を構築した。

  • IOWN APN:遠隔操作拠点と実証現場を低遅延・遅延ゆらぎほぼゼロで接続。複数重機の連携制御と設計データ授受を高速化。
  • ローカル5G:広域300mエリア全体を大容量でカバー。GNSS位置情報と制御信号を安定伝送し、長距離移動時の通信途絶を防止。
  • 60GHz帯WiGig:特定エリアでの遠隔操作用に低遅延・低ジッタ(End-to-Endで遅延数msec、ジッタ数十μsec)を実現。NTTアクセスサービスシステム研究所のサイトダイバーシティ技術を搭載し、重機の旋回・移動時のリアルタイム映像伝送を可能にした。

大成建設の接続切替システムにより、操作卓から異なるメーカーの重機をシームレスに切り替え制御できる点も実証のポイントとなった。

■各社の役割

  • NTT:IOWN APNとWiGigを組み合わせた遠隔・自動制御適用検討
  • NTT東日本:ローカル5Gの設計・構築・運用
  • 大成建設:遠隔操作・自動制御システムの技術提供および工事現場適用検討

■今後の展開

今回の成果を踏まえ、2026年度には大型造成工事現場での実証を予定。2027年度には大成建設が戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期で取り組む「ダムの堆砂対策」における遠隔操作・自動制御への適用を目指す。現場導入に向けた共同検討を加速させ、施工の完全オートメーション化普及と建設業界の人材不足解決に貢献していく方針。

本実証は、建設機械メーカーの垣根を越えた複数重機同時制御の実用化を大きく前進させるもので、業界全体の生産性向上と働き方改革に直結する技術として注目される。

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