奥村組・奥村機械製作、シールドマシン遠隔操作を高度化

・日本~台湾間で実証、セキュア環境と臨場型コックピットを実装

奥村組奥村機械製作 (大阪市西淀川区)は4月13日、遠隔操作システムの機能を改良し、日本から台湾のシールドマシンを操作する実証を実施したと発表した。安全性と操作性を高めた新システムにより、遠隔地でも現地と遜色ない施工が可能であることを確認した。

シールドトンネル工事では、熟練オペレーターの不足が日本・海外ともに深刻化している。両社はこの課題に対応するため、場所に依存せずシールドマシンを操作できる遠隔操作技術の開発を進めてきた。これにより、熟練者が現場に常駐する必要をなくし、将来的には複数現場の兼務も視野に入れる。

今回の改修では、セキュリティ面を強化し、アカウント認証に二要素認証(MFA)を導入するとともに、ログ管理の徹底など運用ルールを整備。米国標準技術研究所の「NISTサイバーセキュリティフレームワーク」や「CIS Controls v8」を参考にしたセキュアな操作環境を構築し、外部監査も受けた。

操作性の面では、臨場感を高めたコックピットを新たに導入。ドーム型モニターにより現地の映像・音声をリアルタイムで再現し、実機と同様のレイアウトのタッチパネル式操作スイッチと各種モニターを配置した。これにより、経験者であれば特別な訓練なしで操作可能な仕様とした。また、通信エラー検知機能も備え、異常時の迅速な対応を可能としている。

実証では、茨城県つくば市の奥村組技術研究所に設置したコックピットから、インターネット経由で台湾・桃園市のシールドマシンに接続。掘削、推進、排土といった主要機構を遠隔操作し、実際の掘進作業を行った。その結果、従来システムに比べ操作性が向上し、通信エラーも問題なく検知できることを確認。遠隔地においても安全かつ高精度な施工が可能であることを実証した。

今後は、通信障害時にシールドマシンを安全停止させる機構の実装を進めるほか、1拠点から複数現場を同時に操作する機能の開発を計画する。さらに、操作系や現地状況を仮想空間に再現し、XRゴーグルを用いて場所や設備に依存しない遠隔操作の実現を目指す。

加えて、同技術を教育・訓練用途にも活用し、オペレーター育成の効率化にもつなげる方針。熟練人材不足への対応策として、遠隔施工技術の実用化に向けた取り組みを加速させる。

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