三菱電機と神鋼環境、上下水道事業で戦略提携――デジタルと機械の融合で「ウォーターPPP」対応加速

三菱電機神鋼環境ソリューションは4月7日、上下水道事業における包括的な戦略提携契約を締結したと発表した。人口減少に伴う財政難や人手不足に直面する自治体のインフラ運営課題に対し、両社の強みを統合したソリューションで応える構えである。政府が推進する「ウォーターPPP(管理・更新一体マネジメント方式およびコンセッション方式)」への参画を視野に、浄水場・下水処理場のプロセス最適化とライフサイクルコスト(LCC)の低減を目指す。

■ 提携の背景と狙い

国内の上下水道事業は、老朽化したインフラの整備・更新が急務となる一方、自治体の専門職員不足や財政基盤の弱体化が深刻な課題となっている。こうした背景から、民間事業者の技術・資金を活用するPPP/PFI事業の重要性が増しており、特に維持管理(O&M)と更新を一体的に担う長期契約(原則10年)の導入が拡大している。

今回の提携により、電気設備・監視制御に強みを持つ三菱電機と、水処理・汚泥燃料化などの機械設備・ノウハウを持つ神鋼環境ソリューションが連携することで、建設から保守、更新に至る全期間の効率化を追求する。

■ 共同開発および事業展開の骨子

両社は以下の項目を軸に、持続可能な水インフラの実現に向けた取り組みを推進する。

・ ソリューションの共同開発
浄水場および下水処理場の運転管理データの収集・分析に基づき、処理プロセスの全体最適化・省力化を実現する。また、設備の劣化状況や余寿命の診断、遠隔監視、運転支援を行うデジタル技術の開発を進める。
・ PPP/PFI事業への共同参画
自治体が発注する具体的な案件に対し、共同で企画・提案を実施。開発したソリューションを社会実装することで、安定稼働とLCC低減を両立させる。

■ 各社の役割分担

三菱電機がデジタル基盤を提供し、神鋼環境ソリューションが現場の運用知見を注入する体制を敷く。
・ 三菱電機
AI技術やデジタル基盤「Serendie®(セレンディ)」を活用した運転管理データの収集・分析、およびデジタルツインの構築を担当する。
・ 神鋼環境ソリューション
長年培った運転管理データや保守点検・修繕履歴、運転管理などのO&M(運営・維持管理)経験およびノウハウを提供する。

■ 企業概要
<三菱電機株式会社>
・ 所在地:東京都千代田区丸の内
・ 執行役社長:漆間 啓
・ 2024年度連結売上高:5兆5,217億円
<株式会社神鋼環境ソリューション>
・ 所在地:神戸市中央区脇浜町
・ 代表取締役社長:奥村 英樹
・ 2024年度連結売上高:1,078億円

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