川崎重工、屋内配送ロボット「FORRO」を八千代医療センターに導入

・院内物流自動化で看護業務のタスクシェア加速 「未来型看護」実現へ

川崎重工業は4月6日、東京女子医科大学附属八千代医療センター(千葉県八千代市)において、屋内配送ロボット「FORRO(フォーロ)」の運用を開始した。病院内の検体・薬剤配送業務をロボットが代行することで、医療従事者の負担軽減と業務効率化を図るもので、大学病院特有の複雑な建物環境下での実用性を検証する全国的にも注目度の高い取り組みとなる。

FORROは、川崎重工が「ヒトは、ヒトにしかできないことを。」をコンセプトに開発したサービスロボットシリーズの一機種。広範囲センシング技術により安全かつ安定した走行を実現するほか、メーカーの異なるエレベーターとの連携、セキュリティドアとの連動機能を備え、複数棟にまたがる長距離配送を可能とする。大学病院のように医療機器の運搬や関係者往来が頻繁で、階層・エリアが複雑に入り組んだ施設においても、人の手を介さずに効率的な院内物流を構築できる点が最大の特徴だ。

これまで看護師や医療スタッフが担っていた配送業務をFORROが肩代わりすることで、医療従事者は専門性の高い診療・看護業務や患者対応に集中できる環境が整う。また、夜間や休日の配送需要にも柔軟に対応可能となり、深刻化する人材不足下での働き方改革にも直結する。

今回、院内で開催された地域イベントを通じて愛称を公募し、「やちまる」に決定。地域住民に親しみやすい存在として、病院内のロボット活用をスムーズに定着させる狙いもある。

さらに、東京女子医科大学看護学部(駒形朋子准教授)と川崎重工は共同で、FORRO導入効果に関する実証研究(JSPS科研費基盤研究(B)25K02955)もスタート。業務自動化による看護師の負担軽減効果や業務効率向上を多角的に分析し、持続可能な「未来型看護」のモデル構築を目指す。

川崎重工は、100年を超える技術蓄積を活かし、陸海空から宇宙・深海まで多様な領域で先進機器を展開する「技術の企業集団」。今回のFORRO導入は、同社のロボット事業が医療現場という新たなフロンティアに本格進出する象徴的な一歩となる。

八千代医療センターは、地域の中核病院として急性期・高機能・先進医療を推進しつつ、「至誠と愛」の理念に基づく心温まる医療を提供。FORROの活躍により、患者ケアの質向上とスタッフの負担軽減を両立させる“ロボット共生型病院”の先駆けとなるか、業界の関心が集まっている。

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