ボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth) :2026年3月31日
ボッシュ・レックスロスは、ドイツ・ハノーバーで開催されるハノーバーメッセにおいて、デジタル化された油圧技術の効果を実機で体感できる展示を行う。深絞りプレスを用いたデモンストレーションを通じ、デジタルソリューションがバリューチェーン全体にもたらす付加価値を示す。
同社は、流体技術のデジタル変革を推進する研究プロジェクト「フルード4.0(Fluid 4.0)」のコーディネーターとして中心的役割を担っている。展示では、ドイツ連邦経済エネルギー省(Federal Ministry for Economic Affairs and Energy)の「プラットフォーム・インダストリー4.0(Plattform Industrie 4.0)」共同ブースにおいて、プロジェクト参画企業とともに、流体技術のデジタル化と高効率化に向けたソリューションを紹介する。
今回の展示の特徴は、抽象的なコンセプトではなく、実機による「体験型」の提示にある。深絞りプレスをデモ機として使用し、各種デジタル技術がどのように連携し、具体的な価値を創出するかを来場者が直接確認できる構成とした。
デジタルツインの活用も重要な要素となる。来場者は、機器に付されたQRコードを読み取ることで、標準化されたアセット管理シェル(Asset Administration Shell:AAS)として提供されるデジタルツインにアクセス可能となる。これにより、技術文書や認証情報、CO2フットプリントなどの各種データを即座に取得でき、従来のように複数の資料やウェブサイトを探す手間を省ける。
さらに同社は、データ連携の中核となるソフトウェア「アセット・オーケストレーション・プラットフォーム(Asset Orchestration Platform:AOP)」を紹介する。AOPは製造現場の“頭脳”として、個々の機器や管理シェルからデータを収集・統合し、分析後に上位アプリケーションへ提供することで、効率的な制御や立ち上げ時間の短縮、将来の要求変化への柔軟対応を実現する。
会場では、AOPとIoTサービス「サイトロコネクト・ソリューションズ(CytroConnect Solutions)」の連携も実演する。圧力、温度、油質などのセンサーデータをリアルタイムで取得し、AOPに取り込んだうえで、状態監視や予知保全といった用途に活用する流れを示す。また、状態監視で発生したイベントに対し、AOP上で動的に対応し、人の介入を含めた運用が可能である点も紹介する。
「フルード4.0」プロジェクトでは、産業界と学術機関が連携し、分野横断のデータ空間におけるデジタルツインの標準化と高度化を推進している。これにより、メーカー横断のオープンな標準確立を目指す。2026年半ばまでに、①デジタルデータを活用した制御開発の効率化、②エネルギー監視による最適化の可視化、③運用段階でのCO2排出量管理、④サーキュラーエコノミーの実現――の4つのユースケースを実装する計画で、これらも深絞りプレス上で紹介する。
なお、油圧のデジタル化の進展および同プロジェクトの成果は、ドイツ機械工業連盟(VDMA)傘下のフルードパワー協会(Fluid Power Association)とプロジェクトコンソーシアムが主催する「フルードXシンポジウム(Fluid-X Symposium)」および最終報告イベント(6月29日・30日)でも発表・議論される予定。
ボッシュ・レックスロスの展示は、ハノーバーメッセ2026のホール13、ブースC24にて行われる。
コメントを投稿するにはログインしてください。