・阪神タイガースファーム本拠地「ゼロカーボンベースボールパーク」とパートナー・電力供給の両契約を締結
タクマ(兵庫県尼崎市)は4月2日、阪神タイガースのファーム本拠地「ゼロカーボンベースボールパーク」(兵庫県尼崎市)とパートナー契約を締結したと発表した。同時に、グループ会社のタクマエナジー(兵庫県尼崎市)が、タクマ納入の廃棄物処理施設から生じる余剰電力を同パークへ供給する契約を締結。2026年4月より供給を開始した。
■ 廃棄物発電が地元球場の電力源に
今回の電力供給の核となるのは、2005年にタクマが設計・建設した「尼崎市立クリーンセンター第2工場」だ。同施設で廃棄物を焼却処理する際に生じる余剰電力を、タクマエナジーが調達・管理し、ゼロカーボンベースボールパーク内のタイガース野球場および室内練習場へ供給する仕組みを構築した。
同パークにはすでに太陽光発電設備と蓄電池が導入されており、自家消費分への対応を基本としながら、不足する電力を廃棄物発電の余剰分で補完する。再生可能エネルギーと廃棄物エネルギーの組み合わせにより、施設全体での実質カーボンニュートラルを実現する枠組みで、環境省の「脱炭素先行地域」にも選定されている。
■ ごみ処理施設が地域エネルギーインフラとして機能
「ごみを燃やして終わり」ではなく、発電した電力を地域内で有効活用するこのモデルは、廃棄物処理プラントが地域の分散型エネルギーインフラとして機能する好例といえる。施設建設から20年以上を経た既存プラントが、脱炭素化という新たな社会課題への解に組み込まれた点は、プラントエンジニアリング業界においても注目すべき事例となろう。
なお、タクマは2024年度に尼崎市の新ごみ処理施設DBO事業を受注しており、既存施設の運用継続と並行して次世代施設の整備も進める。さらに、2025年7月には尼崎市および尼崎信用金庫とエネルギー地産地消事業に向けた連携協定を締結しており、地域一体型のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを多角的に展開している。
■ 1938年創業の地・尼崎への「地元貢献」も
パートナー契約については、タクマが1938年に尼崎で創業した経緯を背景に、「地元への恩返し」との位置付けも示している。2026シーズンより、「日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎」の3塁側ブルペン横にタクマの社名看板が掲出される。
廃棄物処理・エネルギー回収・新電力事業を一体的に展開するタクマグループの地域密着型ビジネスモデルは、カーボンニュートラルへの移行期において一つの先行事例として機能しつつある。同社の今後の動向が引き続き注目される。
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