リープヘル、2025年売上は148億ユーロ、増収も建機関連は減収、自動化・電動化投資を継続

・建機関連は5.5%減の93億4,500万ユーロ(約1兆7,195億円、184円換算)

リープヘル(Liebherr):2026年4月2日

リープヘルは4月2日、2025年12月期の業績を発表し、売上高は147億7,200万ユーロ(前年比1.0%増)と安定成長を維持した。一方で建設機械・鉱山分野は減収となり、事業ポートフォリオの多様化による補完が全体を下支えした。同グループの2025年売上高は前年比1億5,000万ユーロ増の147億7,200万ユーロとなった。過去2年間と同水準の投資を継続し、設備投資額は10億5,900万ユーロに達した。分散型組織と幅広い事業構成により、特定分野の落ち込みを他分野で吸収した。

リープヘル2026年データ

事業別では、海洋クレーン、航空宇宙・輸送システム、歯車・オートメーション、冷蔵冷凍機器、コンポーネント、ホテル事業などが好調で、売上高は54億2,700万ユーロ(同14.7%増)と大きく伸長した。一方、土木機械、マテリアルハンドリング、基礎工事機械、鉱山機械、移動式・クローラクレーン、タワークレーン、コンクリート機械を含む建設機械・鉱山分野は、基礎工事機械とタワークレーンが伸びたものの全体では5.5%減の93億4,500万ユーロとなった。

地域別では、アジア・オセアニアおよび北米で減収となった。欧州ではEU域外が低迷した一方、ドイツを中心にEU域内は増収を確保した。中南米およびアフリカ・中近東地域も成長し、特に南アフリカとアラブ首長国連邦が伸びをけん引した。

利益面では、純利益は2億7,200万ユーロを確保。営業利益は前年を下回ったものの、金融収支が改善した。従業員数は前年比1,235人増の5万5,963人となった。

■自動化・電動化で技術開発を加速

研究開発投資は7億800万ユーロに達した。自動化分野では「リープヘル・オートノマス・オペレーションズ(Liebherr Autonomous Operations)」を搭載した自律走行ホイールローダーをバウマ2025(Bauma 2025)で公開。加えて、自律・電動・単軸ダンプトラックの試作機「S1ビジョン(S1 Vision)」も発表し、鉱山向け自動運転ダンプの実用化も近づいている。

電動化では、フル電動クローラクレーン「HS 8100.2デュアルパワー(HS 8100.2 dual power)」やバッテリー式クローラショベル「R 920 G8-E」などを投入。オールテレーンクレーン「LTM 1150-5.4E」やモバイル建設クレーン「MK 120-5.1E」は外部電源と内蔵バッテリーの両対応とした。さらに、蓄電システム「LPO 600」により現場での充電・電力供給も可能とした。

デジタル分野では、タワークレーンの揺れ補正や半自動展開を実現する支援システムを開発。エネルギー需要を最適化するソフト「エナジープランナー(Energy Planner)」も投入した。また、グループ全体でソフトウェア基盤の標準化や「ソフトウェア・ディファインド・マシン(Software Defined Machine)」の開発を推進し、サイバーセキュリティやAI活用体制も強化している。

■設備投資を継続し生産体制を強化

同社は長期的成長に向け、2025年も積極的な設備投資を実施。総投資額は10億5,900万ユーロで、グループ資金で賄った。

ドイツ・エーインゲン・ベルク(Ehingen-Berg)では50万平方メートル超の用地を取得し、移動式・クローラクレーン需要の増加に対応。キルヒドルフ(Kirchdorf an der Iller)では新配送センターを建設した。ビーベラッハ(Biberach an der Riss)では風力向け大型旋回軸受の受注増に対応し、生産・インフラ・試験設備を増強している。

海外でも、ブルガリア・プロブディフ(Plovdiv)やブラジル・グアラチンゲタ(Guaratinguetá)で生産能力を拡張。米国ではミシシッピ州テューペロ(Tupelo)に物流拠点を新設するほか、テキサス州ヒューストン(Houston)に建機の修理・販売・サービス拠点を開設するための用地を取得した。

■2026年は不透明環境続くも成長に自信

リープヘル・インターナショナル(Liebherr-International AG)の取締役であるシュテフェン・ギュンター(Steffen Günther)氏は「2026年も世界経済は不確実性や地政学リスク、競争激化の影響を受ける」との見方を示した。受注は堅調にスタートしたものの、多くの分野で顧客の投資姿勢は慎重とし、本格的な成長は2027年以降になると見込む。

その上で「拠点投資やイノベーション、持続可能なソリューションに重点的に取り組む」とし、多角化と分散型体制を背景に2026年も成長を維持できるとの見通しを示した。

ニュースリリース

アニュアルレポート2025