・夜間・早朝の薬剤配送を自律走行ロボットが担当、看護師の業務負担軽減へ
川崎重工業は4月1日、石川県金沢市の浅ノ川総合病院において、屋内配送ロボット「FORRO(フォーロ)」の運用を開始したと発表した。北陸地方の医療機関への同ロボット導入は今回が初めてとなる。
■ 深刻化する夜間人材不足に自律搬送で対応
今回の導入の主眼は、看護師が手薄になる夜間から早朝にかけての薬剤配送業務の自動化だ。これまで看護師が担ってきた搬送作業をFORROが代替することで、夜間帯においても看護師が患者ケアに専念できる体制の整備を図る。
FORROは川崎重工が「ヒトは、ヒトにしかできないことを。」をコンセプトに開発したサービスロボット。人や患者が行き交う病院特有の複雑な環境下でも、広範囲センシングにより安全かつ安定した走行を実現する。階間移動は業務用エレベーターではなく、患者用エレベーターへの相乗りで対応する点も特徴的だ。
■ 医療DX推進の象徴的取り組みと位置づけ
浅ノ川総合病院は1951年の開設以来、地域密着型のケアミックス型総合病院として急性期医療から在宅医療まで幅広いサービスを提供してきた。今回のFORRO導入は、同院が推進する医療DX戦略の中核施策と位置づけられており、職員の働き方改革と専門性発揮を両立する環境づくりを加速させる狙いがある。
両者は今後、実際の運用を通じて業務フローや動線設計上の課題を検証しながら、本格的なロボット活用の拡大も視野に入れるとしている。
■ 川崎重工、産業用ロボットの知見を医療・サービス分野へ展開
川崎重工は産業用ロボットで培った技術を基盤に、労働力不足という社会課題への解決策としてFORROを開発。医療従事者のパートナーとして機能するだけでなく、患者にも親しみやすいデザインを採用している点が、従来の産業用ロボットとの差別化点となっている。
同社は国内外100社超の関連企業とともにグループを形成しており、陸・海・空から宇宙・深海に至るまで多様な製品・技術を展開している。医療・サービス領域でのロボット事業は、同グループの新たな成長軸として注目される。
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