SUMCO、供給確保計画を変更新、工場建設から既存拠点の設備高度化へ転換

シリコンウェーハ大手のSUMCO(東京都港区)は3月27日、経済安全保障推進法に基づき2023年7月に認定を受けた「供給確保計画」について、経済産業省から変更認定を受けたと発表した。

今回の変更の骨子は、当初計画していた新工場建設を含む増産投資から、既存拠点における製造設備の高度化へと投資の重点を移すというものだ。これに伴い、最大助成額は当初の750億円から193億円へと引き下げられる。ただし、最先端半導体向け300mmシリコンウェーハを国内で安定供給するという計画の根本的な目的は変わらないとしている。

■市場構造の変化が戦略転換の背景に

同社が方針転換に踏み切った背景には、半導体市場の急速な構造変化がある。PCやスマートフォン向け需要が一定の安定を見せる一方、生成AI向けの需要が急拡大。さらに2nm世代以降の最先端領域では品質要求の厳格化が進み、技術競争の激化が見込まれるという。

こうした状況を踏まえ、同社は「生産量の拡大よりも、最先端半導体用シリコンウェーハの需要を確実に取り込むための設備高度化に経営資源を集中させることが、経済合理性および競争力の観点から最善」と判断したと説明している。

■既存拠点への集中投資へ 新工場は市況見極め

今後の投資方針としては、佐賀県伊万里市をはじめとする既存拠点における最先端品対応の製造設備高度化に注力する。一方、佐賀県神埼郡吉野ヶ里町での新工場建設を含む増産投資については、市況の推移を慎重に見極めた上で適切なタイミングを判断するとしており、当面は凍結する形となる。

同社グループは、高品質なシリコンウェーハの供給を通じ、デジタル社会の発展やネットゼロ社会の実現への貢献と、日本の経済安全保障への寄与を両立していく方針を示している。

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