ユングハインリッヒ、25年売上は2.0%増の55億200万ユーロ

・受注・売上ともに増加も一過性要因で減益

・調整後では安定した収益力維持

ユングハインリッヒ(Jungheinrich AG):2026年3月27日

ユングハインリッヒは3月27日、2025年12月期決算を発表し、厳しい事業環境下でも受注高および売上高が増加し、営業面では堅調な業績を維持したと明らかにした。一方で、ロシア子会社売却や構造改革費用などの一過性要因により、最終的な利益は大きく押し下げられた。

2025年の受注高は前年比1.4%増の53億8,700万ユーロとなった。新規事業およびカスタマーサービスの伸長が寄与し、新車販売台数も4.8%増の13万2,000台に拡大した。倉庫機器需要の回復や、第4四半期に投入した「アントン・バイ・ユングハインリッヒ(AntOn by Jungheinrich)」の市場投入が追い風となった。

売上高は同2.0%増の55億200万ユーロ(約1兆179億円、185円換算)。ドイツ国内は減収となったものの、海外売上が3.8%増加し、海外比率は80%に上昇した。EMEA以外の地域比率も19%に拡大しており、特に米州では米国市場の成長が寄与した。(*1ユーロ:185円)

ユングハインリッヒ2025年データ

事業別では、新規事業の売上高が32億1,400万ユーロ(前年比6,600万ユーロ増)となり、自動化プロジェクトの伸長が寄与した。一方、短期レンタルおよび中古機販売は7億7,500万ユーロ(前年7億8,100万ユーロ)と減少した。カスタマーサービスは15億7,600万ユーロ(同4,100万ユーロ増)と伸長し、売上構成比は29%に上昇。金融サービスも14億7,300万ユーロ(同4.0%増)と堅調に推移した。

利益面では、一過性要因の影響が顕著となった。EBIT(利払い・税引前利益)は2億2,800万ユーロと前年(4億3,400万ユーロ)から大幅減益となった。主な要因は以下の通り。

・ロシア子会社売却:1億900万ユーロ
・構造改革プログラム費用:9,300万ユーロ
・開発資産の減損(技術中止):1,800万ユーロ

これら一過性要因(計2億2,000万ユーロ)を除いた調整後EBITは4億4,800万ユーロとなり、売上高営業利益率は8.1%と前年並みの水準を確保した。

ラース・ブルツォスカ(Lars Brzoska)社長は、「地政学的緊張や競争激化など厳しい環境下でも、当社の営業パフォーマンスは安定している。利益減少は主に一過性要因によるものであり、基礎的な収益力は堅調だ」とコメントした。

EBT(税引前利益)は1億9,600万ユーロ(前年4億400万ユーロ)、売上高EBT率は3.6%となった。ROCE(投下資本利益率)は8.3%に低下したが、これも主にイントラロジスティクス事業における一過性要因の影響による。

配当については、2026年5月19日の株主総会において、普通株1株当たり0.27ユーロ(前年0.78ユーロ)、優先株0.29ユーロ(同0.80ユーロ)を提案する。総配当額は2,900万ユーロ(前年8,100万ユーロ)で、配当性向は28%となる見通し。

2026年12月期の見通しについては、受注高は54億~60億ユーロ、売上高は52億~58億ユーロを予想。EBITは3億8,000万~4億5,000万ユーロ(売上高営業利益率7.2~8.0%)、ROCEは14.0~18.0%、フリーキャッシュフローは2億5,000万ユーロ超を見込む。

同社は、供給網の安定を前提としつつも、イラン情勢を含む中東地域の不安定化がコスト上昇や貿易不確実性を高めている点に言及。現時点で事業や供給網への直接的影響はないものの、引き続き動向を注視するとしている。また、欧州経済の低成長や資材価格、為替、関税、金利動向などが業績に影響を与える可能性があるとした。

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