・フレッチャロッサ刷新加速、2031年に74編成体制へ
日立製作所は3月27日、同社の鉄道システム事業を担う日立レールが3月24日(ローマ現地時間)、イタリア国鉄グループ(FSイタリアーネ・グループ)傘下のトレニタリア(Trenitalia)社と、次世代高速鉄道車両9編成の製造・供給に関する新たな契約を締結したと発表した。契約規模は約2億6,000万ユーロ(約476億円)に上る。
■フレッチャロッサ更新プログラム、着実に規模拡大
今回の契約は、2023年に締結された36編成の供給契約、およびオプション行使によりすでに確定していた追加10編成に続くもので、FSグループが推進する戦略計画の一環として位置づけられる。同グループは、より現代的で革新的かつ持続可能な旅客サービスの提供を目標に、主力ブランドであるフレッチャロッサの車両刷新を計画的に進めている。
導入スケジュールによれば、2029年以降にさらに2編成が追加され、計57編成が運行体制となる見通し。その後2031年までには合計74編成体制への移行が計画されており、イタリア高速鉄道網の根幹を担う車両群として大規模な世代交代が実現する。
■高性能・高環境性能を両立した次世代モデル
次世代フレッチャロッサは、日立レールがイタリア国内のナポリおよびピストイア工場で製造する。通常運行時速300km、最大時速360kmまでの認証を取得しており、効率性を高める先進的な駆動システムを搭載する。
環境性能においても高水準を実現しており、リサイクル率97.1%、材料回収率98.2%を誇る。外観デザインと現行の塗装を踏襲しつつ、ジウジアーロ・デザインによる内装や車上装置に新要素を取り入れ、「メイド・イン・イタリー」としてのブランド価値をさらに高めた仕様となっている。
また、欧州7カ国の鉄道ネットワークでの運行を想定した設計が採用されており、国際的な相互乗り入れにも対応する汎用性の高さが特徴の一つとなっている。移動に制約のある乗客向けスペースも整備されており、インクルーシブな設計が徹底されている。
■AIを活用したデジタル資産管理で運行・保守を最適化
次世代車両には、日立レールのデジタルスイート「HMAX for Rail」の導入が可能となっている。同システムはAIを活用したデジタルアセットマネジメントプラットフォームであり、リアルタイムのデータ分析を通じて運行・保守・エネルギー消費の最適化を図るものだ。鉄道分野のデジタル化において新たな局面を切り拓くソリューションとして注目される。
■両社コメント
トレニタリア社のCEO兼ゼネラルマネージャー、ジャンピエロ・ストリシュグリオ (Gianpiero Strisciuglio)氏は、「フレッチャロッサを欧州鉄道輸送の基準的な存在として確立するため、今後もイタリア国内外での投資を継続していく」と述べ、持続可能で統合的な交通システムの構築に向けた意欲を示した。
日立レール グローバルCOOのルカ・ダキーラ(Luca D’Aquila)氏は、「本契約は両社の長年にわたる協力関係を改めて強化するものであり、より統合された欧州高速鉄道システムという未来を見据えた取り組みだ」とコメントした。
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