ワッカー・ノイソン(Wacker Neuson):2026年3月26日
ワッカー・ノイソンは3月26日、2025年通期決算を発表した。売上高は微減となったものの、コスト削減効果などにより増益を確保。2026年は市場の緩やかな回復を見込み、増収増益を予想している。
同社の2025年売上高は22億1,880万ユーロ(前年比0.7%減)となった。一方、EBIT(利払前・税引前利益)は第4四半期の一時費用の影響を受けながらも1億3,240万ユーロ(同7.6%増)となり、EBITマージンは6.0%(前期5.5%)へ改善した。
第4四半期には、斗山ボブキャット(Doosan Bobcat)との買収協議に関連する法務・コンサル費用、株式報酬制度に関する引当金、資産減損などの一時費用が発生した。
純運転資本は6億4,700万ユーロ(前期末7億930万ユーロ)に減少し、売上高比率は29.2%(同31.7%)と、目標上限の30%を下回った。フリーキャッシュフローは2億160万ユーロ(前期1億8,460万ユーロ)に増加した。
同社のカール・トラーグ(Karl Tragl)CEOは、「2025年は特に第1四半期に厳しい経済環境に直面したが、年間を通じて収益性と業務効率の改善を実現した。米国関税など外部環境への対応も進めた。2026年は市場の緩やかな回復を見込み、売上・利益ともに改善を見込む」とコメントした。
■地域別動向
欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域の売上高は17億5,310万ユーロ(同1.2%増)で、全体の79.0%を占めた。ドイツが最大市場で、フランス、英国、スイスが続く。
アメリカ地域は米国関税による不透明感から受注が鈍化し、売上高は4億2,160万ユーロ(同6.5%減)。構成比は19.0%となった。
アジア太平洋地域は市場低迷が続き、売上高は4,410万ユーロ(同16.0%減)となった。
■事業動向
建設機械・農業機械市場は低調に推移したが、同社は年間を通じて業務改善を推進。製品別では、油圧ショベル、ダンパー、現場機器の需要が堅調だった一方、スキッドステアローダーは減少した。
サービス分野では、小型機器、中古レンタル機、部品、サービス需要が拡大し、新車販売の減少を補った。
また、ジョンディア(John Deere)とのOEM提携によるショベルの生産開始により、北米市場でのプレゼンス強化が進んだ。
■キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフロー(運転資本投資前)は2億7,710万ユーロ(前年比49.9%増)と大幅に増加。最終的なフリーキャッシュフローは2億160万ユーロとなり、前年を上回った。
■株主還元
2026年5月13日開催予定の株主総会において、1株当たり0.70ユーロ(前期0.60ユーロ)の配当を提案する。配当性向は約61%、配当利回りは2.9%となる見込み。
■戦略「2030」
同社は中期戦略「ストラテジー2030(Strategy 2030)」を継続し、EBITマージン11%超を目標に据える。市場環境の変化を踏まえ、2030年の売上目標は約35億ユーロ規模とする見通し。
中東情勢や米国関税政策、電動化の進展遅れなどの影響を踏まえ、2026年に戦略前提の見直しを行う。
■2026年見通し
2026年はインフラ投資や更新需要の回復を背景に、市場は緩やかな回復を見込む。売上高は22億〜24億ユーロ、EBITマージンは6.5〜7.5%を予想する。
純運転資本比率は引き続き30%未満を維持する見通し。設備投資は7,000万〜9,000万ユーロを計画している。
■会社概要
ワッカー・ノイソン(Wacker Neuson)は、軽・小型建機の世界的メーカー。従業員数は約5,800人、2025年売上高は約22億ユーロ。ブランドとしてワッカー・ノイソン(Wacker Neuson)、クラーマー(Kramer)、ヴァイデマン(Weidemann)、エナー(Enar)を展開し、建設、農業、自治体、リサイクル、鉄道分野などで事業を展開している。フランクフルト証券取引所に上場。
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