ドイツのエンジンメーカーDEUTZ、25年売上は12.7%増の20億4,380万ユーロ

・厳しい市場環境下でも増収増益

・戦略転換が奏功し過去有数の高収益を達成

ドイツ(DEUTZ):2026年3月26日

エンジンおよびエネルギーソリューションを手掛けるドイツ(DEUTZ)は、2025年業績において、主力のエンジン事業で厳しい市場環境が続いたにもかかわらず、大幅な増収増益を達成した。戦略的な事業転換とM&Aの効果により、売上高・受注ともに2桁成長を記録し、近年でも高水準の収益を確保した。

2025年の受注高は前年比13.7%増の20億7,770万ユーロ、売上高は同12.7%増の20億4,380万ユーロとなった。調整後EBITは1億1,230万ユーロ(前年7,670万ユーロ)に拡大し、調整後EBITマージンは5.5%(同4.2%)へ改善した。収益性向上は、新規事業の寄与に加え、コスト削減プログラム「フューチャー・フィット(Future Fit)」の効果が寄与した。

特に四半期ベースでは収益改善が顕著で、第4四半期の調整後EBITマージンは6.8%と前年同期(3.8%)から3ポイント上昇した。

ドイツエンジン2025年通期データ

同社CEOのセバスチャン・シュルテ博士(Dr. Sebastian Schulte)は、「経済環境は依然として厳しかったが、戦略転換に注力した結果、過去有数の利益を達成した。2030年までに売上高40億ユーロ、EBITマージン10%を目指す」と述べた。

■新組織体制と成長戦略
同社は2026年初めから、5つの独立した事業部門による新体制へ移行した。各事業の特性に応じた意思決定を迅速化し、顧客志向を強化する狙い。

このうち「エネルギー」事業は中期成長の柱と位置付ける。2026年2月にフレルク・アグリゲートバウ(Frerk Aggregatebau GmbH)を買収し、分散型エネルギー供給分野でグローバルに展開可能なポートフォリオを構築。データセンター向け非常用電源市場での地位を強化した。

また、防衛分野でも事業拡大を進めており、2025年のソベック(SOBEK)買収や、アーエックス・ロボティクス(ARX Robotics)との提携により、無人防衛システム分野でシステムプロバイダーとしての地位確立を図っている。

■コスト削減と財務戦略
CFOのオリバー・ノイ(Oliver Neu)は、「フューチャー・フィットにより、すでに2,500万ユーロ超の収益改善効果が出ており、2024年比で5,000万ユーロ超のコスト削減目標の達成に向け順調に進捗している」と説明した。

2025年9月に実施した増資により自己資本比率は50%超を確保。M&Aを通じた成長投資を継続する財務基盤を整えた。

■2025年業績の詳細
受注残高は2025年末時点で4億9,770万ユーロ(前年末4億6,390万ユーロ)。M&Aによる事業拡張やサービス事業の拡大が受注増を牽引した。

売上面では、ダイムラー・トラック(Daimler Truck)との戦略提携による大型産業用エンジンやサービス事業、エネルギー事業の拡大が、4リットル未満の小型ディーゼルエンジンの需要減少を補った。防衛事業も第4四半期を中心に収益貢献を開始した。

ケルン拠点での生産減少に伴う規模の不利益があったものの、調整後EBITは前年比46.4%増と大幅に改善。ブルースター・パワー・システムズ(Blue Star Power Systems)の好調や買収効果、コスト削減が寄与した。

営業キャッシュフローは1億4,340万ユーロ(前年1億1,040万ユーロ)、M&A前フリーキャッシュフローは4,420万ユーロ(同3,000万ユーロ)に増加した。

■配当
2025年配当は1株当たり0.18ユーロ(前年0.17ユーロ)へ増配を提案する。

■2026年見通し
2026年は、建設機械および農業機械向けエンジン市場の緩やかな回復を前提に、売上高23億~25億ユーロを見込む。調整後EBITマージンは6.5~8.0%を予想する。

最終的なコスト削減効果の発現や効率化施策、サービス事業でのM&Aが収益を押し上げる見通し。M&Aを除くフリーキャッシュフローは数千万ユーロ台後半を見込む。

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