米キャタピラー、新型油圧式マイニングショベル「Cat® 6040」を発表、生産性と効率を大幅向上

キャタピラー(Caterpillar):2026年3月24日

キャタピラーは3月24日、鉱山運営における生産性向上と効率改善を目的とした次世代の400トンクラス油圧式マイニングショベル「Cat® 6040」を発表した。燃費低減、作業効率向上、稼働率改善を軸に設計を刷新している。

同機は、積込み量をバケットごとに計測する「Catペイロード(Cat Payload)」を標準搭載し、過積載や積載不足を防ぎながら目標積載量を安定的に達成。積込み・運搬サイクルの効率向上に寄与する。

キャタピラーのニルス・フェダーン(Nils Feddern)油圧マイニングショベル担当シニアプロダクトコンサルタントは、「燃料消費やダウンタイムを増やさずに搬出量を増やしたいという顧客ニーズに応え、高い掘削力と高速旋回を維持しつつ、油圧最適化による燃費向上を実現した」と述べている。

■燃費と性能を両立する油圧最適化

新型6040では、油圧システムを最適化し、必要に応じて可変で油流量を供給する仕組みを採用。従来のように常時最大流量・圧力で稼働する方式と異なり、各機能に必要な分だけポンプを割り当てることでエネルギー損失を抑制する。これにより、従来比で最大15%の燃費改善を実現した。

動力源には、出力1,550kW(2,079hp)の新型「Cat C32B」エンジンを2基搭載。1基のみでもショベルの移動が可能で、柔軟な運用を可能とする。排出ガス規制については、米国EPA Tier4 Final/Stage Vに対応(DEF不要仕様)するほか、中国非道路Stage III規制にも適合する構成を用意する。

また、オプションのオイル交換延長仕様により、エンジンオイル交換周期を従来の500時間から1,000時間へ延長し、保守停止時間の削減を図る。

■高掘削力と高速サイクルで生産性向上
掘削力はフロントショベル仕様で1,201kN、バックホウ仕様で1123kNと高水準を確保し、硬質材料でもバケット停止を防止。クローズドループ式旋回システムにより、サイクルタイム短縮とエネルギー効率向上を両立した。

また、「オペレーターアシスト(Operator Assist)」機能として、リンク部に角度センサーを搭載し、ブームやスティック位置を制御。急停止や金属同士の衝突を防ぎ、オペレーターの負荷軽減と部品寿命の延長に寄与する。

積込み能力では、147トン級ダンプトラック「Cat 785」を4パス、327トン級「Cat 796 AC」を8パスで積込み可能とし、幅広い車種に対応する。

■視認性・快適性を高めた新キャブ
新設計キャブは床面窓を採用し、履帯周辺の視認性を確保。掘削・積込みエリアの視界は従来比で約40%向上した。室内騒音は68dBAに抑え、新空調システムや人間工学に基づくジョイスティック、大型タッチスクリーン(10インチ)を備えたモニタリングシステムを搭載する。

さらに、キャタピラー独自の3座席構成(オペレーター席、トレーナー席、補助席)により、キャブ内での教育・訓練にも対応する。

安全面では、4カメラによる「ビジョン360(Vision 360)」を標準装備し、機体周囲の死角を低減。油圧式45度昇降階段も新設し、エンジン停止時でも安全な乗降を可能としている。

■デジタル対応と将来拡張性
新設計の電子アーキテクチャにより、「プロダクトリンク(ProductLink™ Elite)」を標準搭載し、機械データの遠隔監視・分析を強化。「キャットマインスター(Cat MineStar)」の各種ソリューション(Fleet、Terrain、Detect、Health)への後付け対応も可能とした。

また、将来的な電動化に向けて電動パワーモジュールの後付けにも対応する設計とし、電源に依存しない「パワーアグノスティック」な運用を視野に入れている。

■高耐久設計と保守性向上
設計寿命は6万時間以上を目標とし、従来機比で約2.25%の重量増により構造強度を強化。固定軸ローラーやアイドラの採用によりグリース消費を削減した。

単一ライン式グリース供給システムの採用で配管数を削減し、破損リスク低減とメンテナンス性向上を実現。ホース配置の最適化により、大規模な油圧漏れなしで長時間稼働が可能となっている。

さらに、遠隔診断「リモートトラブルシュート(Remote Troubleshoot)」やソフト更新「リモートフラッシュ(Remote Flash)」に対応し、サービス効率を高めた。

新型「Cat® 6040」は、燃費改善、作業効率向上、デジタル対応を統合した次世代機として、採鉱現場の高度化・効率化ニーズに応えるモデルとなる。

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