・CO2排出量をライフサイクル全体で約40%削減
日立産機システムは3月25日、給油式スクリュー空気圧縮機向けの植物由来潤滑油「GREEN SCREW OIL」を発売した。製造工程におけるCO2排出量を従来の合成油比で約90%低減できるほか、廃棄段階を含むライフサイクル全体でも約40%の削減(試算値)を実現する環境配慮型製品として、脱炭素を推進する製造現場への普及が期待される。
■ カーボンニュートラル実現に向けた新製品
給油式スクリュー空気圧縮機は、一対のスクリューロータが高速回転して空気を圧縮する方式を採用しており、ロータ間の摩耗防止や冷却のために潤滑油が不可欠だ。従来は原油由来の合成油が一般的で、製造過程でのCO2発生が課題とされてきた。
新製品「GREEN SCREW OIL」は植物を原料とし、その植物が成長過程で光合成によって吸収したCO2を差し引くことで、製造時の排出量を大幅に抑制する仕組みだ。性能面では現行の合成油と同等の水準を維持しており、交換サイクルも2年と従来品に遜色ない実用性を持つ。
■ 日立グループ全体への展開を視野に
同社は今後、日立グループ内でSullairブランドの空気圧縮機を製造・販売するHitachi Global Air Powerの製品ラインへの展開も計画している。日立グループは空気圧縮機において世界的に高いシェアを有しており、グループ全体の潤滑油をすべて植物由来に切り替えた場合、年間2,000トン以上のCO2排出削減が可能と試算されている。
■ デジタルサービス「HMAX Industry」との連携で産業現場を革新
日立産機の空気圧縮機は、設備監視サービス「FitLive®」を基盤に、機械学習による予兆診断や生成AIエージェントを活用した運用・メンテナンス支援を提供するデジタルサービス「HMAX™ Industry」の重要なデジタライズドアセットとして位置づけられている。今回の新製品はこのエコシステムの環境価値をさらに高める取り組みの一環。
同社は日立製作所の経営計画「Inspire 2027」に基づくサステナビリティ戦略「PLEDGES」において、脱炭素推進の柱「P: Planet」を担う製品として「GREEN SCREW OIL」を位置づけている。空気圧縮機は製造業・社会インフラなど幅広い産業分野で欠かせない基幹設備であり、その運用に伴う環境負荷の低減は業界全体の持続可能性に直結する課題となっている。
日立産機は今後も、高効率プロダクトとデジタル技術の融合により、製造現場のフロントラインワーカーの業務革新と持続可能な産業社会の実現に貢献していく方針。
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