住友重機械、NECと建機映像×AIでヒヤリハット抽出・自動レポート化システムを共同開発

住友重機械工業は3月25日、日本電気(NEC)と共同で、油圧ショベルに搭載したカメラ映像やセンサデータを活用し、ヒヤリハットの抽出からレポート生成までを自動化するシステムの開発を2026年4月から開始すると発表した。建機の実作業データと生成AIを組み合わせ、リスクシーンの可視化と報告まで一貫して行う取り組みは業界初としている。

建設業では労働災害は減少傾向にあるものの、天候や地質、日々変化する作業環境など不確定要素が多く、安全性向上に向けた新たな対策が求められている。特に現場ごとの映像や作業ログから危険兆候を抽出し、可視化・要約する仕組みの必要性が高まっているが、データ蓄積から分析、レポート作成までを一気通貫で行うシステムはこれまで存在していなかった。

今回の開発では、住友重機械グループのICT/IoT共通基盤「SHICuTe」に蓄積された実現場データを活用し、抽出AIが映像からリスクシーンを特定。これに油圧ショベルの操作情報を組み合わせ、NECの映像認識技術と生成AIを用いて分析する。得られたデータは時間・空間情報を含むマルチモーダルデータとして整理され、建設現場の作業ノウハウや危険・禁止行動データと照合することで、報告すべき事象を抽出し、発生経緯をまとめたヒヤリハットレポートを自動生成する仕組みとする。

両社はすでに2025年9月、同様の技術に関する実証を実施。映像から抽出したリスクシーンを基に、想定される事故内容や発生経緯を含むヒヤリハットの報告が可能であることを確認している。今後の開発では、抽出可能なヒヤリハットの種類拡充や、顧客の安全対策に応じたレポート機能の高度化を図る。

2026年度は技術開発と事業化検証を進め、2027年度の実用化を目指す。将来的には、人と建機の接触リスクにとどまらず、作業者が気づきにくい不安全状態や現場ごとのルールにも対応できるよう適用範囲を拡大する方針。

住友重機械とNECは、建機データとAI技術を融合した安全支援ソリューションの高度化を通じ、建設現場の事故ゼロ実現に貢献していく考え。

ニュースリリース