ヤンマーホールディングスは3月23日、新たな企業理念を定義するとともに、2030年度までの中期経営計画「MTP2030」を策定したと発表した。気候変動や人口増加、労働力不足、食料・エネルギー問題といった地球規模の課題を成長機会と捉え、ソリューション型ビジネスへの転換と技術開発を通じて持続的成長を目指す。
同社は約1年にわたり、社員や顧客、専門家などとの対話を通じて理念を再構築。従来のブランドステートメント「A SUSTAINABLE FUTURE —テクノロジーで、新しい豊かさへ。—」を「Purpose(存在意義)」として位置付けた。これに加え、「Vision(目指す姿)」として「人と自然が共に栄える未来の創出と共感の拡大」、「Mission(取り組むこと)」として「テクノロジーによるソリューション提供で最大の豊かさを最少資源で実現」を掲げ、理念体系を明確化した。
新中計「MTP2030」では、2030年度に売上高1兆5,000億円、売上高経常利益率(ROS)8%以上の達成を財務目標に設定。収益性を確保しつつ、成長投資を継続するための基盤構築を図る。
戦略面では6つの重点項目を掲げた。第一に、アグリ、建設機械、マリン、エネルギーシステム、大形エンジン、産業用エンジン、コンポーネントなど各事業の競争力強化により「グローバルTier1」の実現を目指す。第二に、製品販売中心から顧客課題解決型へと事業モデルを転換し、新規事業を創出。2040年までに新規領域で売上高2,000億円規模の構築を狙う。
第三に、脱炭素や自動化、食料生産といった分野での技術開発を加速し、既存事業の競争力強化と合わせて「技術の価値化」を推進。第四に、コスト最適化と収益力強化により投資余力を高め、成長分野への資源配分を拡大する。
さらに、「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」に基づく環境負荷低減や人権・DE&Iの推進などを通じた「人と地球への貢献」、グローバル経営モデルの構築と人材活性化による「組織進化」にも取り組む。
同社は1912年創業、1933年に小型ディーゼルエンジンの実用化に世界で初めて成功。現在はエンジン技術を核にアグリ、建機、マリン、エネルギー分野で事業を展開している。新理念と中計のもと、ソリューションカンパニーとしての進化を加速し、持続可能な社会への貢献を強化する方針。