コマツのフィンランドディーラー、新型ダンプトラック12台を鉱山向けに納入

コマツヨーロッパ(Komatsu Europe International N.V.):2026年3月19日

フィンランドの建機ディーラーであるスオメン・ラケンヌスコネ(Suomen Rakennuskone)は、コマツの新世代ダンプトラック「HM460-6」12台を、土木・鉱山請負業者のアークティック・インフラ(Arctic Infra)に引き渡した。納入機は装備搭載後、北部フィンランドの鉱山向けに投入され、2026年4月までに全車が稼働する予定。

引き渡しは3月上旬、同社ケンペレ拠点で実施され、12台のうち10台が並ぶ形で披露された。今回の納入機には、日本で製造された初期ロット機(シリアル番号2)も含まれており、同モデルの市場投入初期段階での大口導入となる。

アークティック・インフラのペトリ・アラタロCEO(Petri Alatalo)は、「従来機HM400-5では駆動系やデフロックに課題があったが、新モデルでは求めていた改良が実現された。2025年のバウマ(Bauma)での発表を受け、導入を決断した」と述べた。契約は当初8台で合意し、その後4台を追加した。

販売を担当したスオメン・ラケンヌスコネのヤリ・サロマキ(Jari Salomäki)キーアカウントディレクターは、「完成形を見る前の段階での契約締結には、両社の信頼関係が大きく寄与した」としている。なお同機は2026年3月、米国のコンエクスポ(ConExpo)で世界初公開された。

■北極圏インフラ需要に対応

アークティック・インフラは2019年設立で、北極圏の厳しい環境下での土木・鉱山関連工事を主力とする。創業時にカントマルク(Kantmark)を買収し、設備・人員・契約を継承。その後、約50件の設備投資を進め、保有機械の平均年齢を20年以上から4年未満へと刷新した。

現在は廃石運搬、ダム建設、防塵、鉱山インフラ保守など幅広い業務を展開。今回導入した12台のうち2台は、40立方メートル水タンクを搭載した防塵仕様となる。従業員の約9割はラップランド地域出身で、主な作業エリアはオウル以北に集中する。

売上高は2020年の約500万ユーロから拡大を続け、2025年は1,800万ユーロ超に達する見通し。創業以来のダンプトラック稼働実績は約15万時間に上る。

■出力・積載量を大幅向上

HM460-6は従来機HM400-5をベースに、エンジン、トランスミッション、駆動系、フレーム、キャブなどを全面刷新した新世代機。ステージV対応エンジンは出力を9%向上させ386kWとし、最大積載量は42トンに拡大した。

トルクは23%増の2,803Nmに達し、低速域での高トルク性能を強化。新開発の9速前進・2速後進の遊星式トランスミッションを採用し、燃費性能と作業効率を向上させた。試験では燃費効率が22%改善、時間当たり生産性も約7%向上したという。

また、リジッドダンプの技術を応用したフルサスペンションや双方向アクスルロックにより、不整地での走破性も高めている。

■安全・操作性を強化

安全面では、ロールオーバー保護、前後フレーム傾斜表示、ダンプ高さ制限、シートベルト警告などを標準装備。フレームの傾斜角をモニター表示し、過度な傾き時には自動減速する機能も備える。

キャブは全面刷新され、視界性を改善。8インチディスプレイによる統合操作や、10インチのカメラ専用モニターを採用した。エアサスペンション付きシート(冷暖房機能付き)やBluetooth、USBなども標準装備する。

■現地仕様に合わせた装備と訓練

納入機はケンペレ拠点で顧客仕様に合わせて装備され、集中給脂装置、消火システム、補助ヒーター、通信機器、キャブ加圧、車体下部保護などを搭載。1台当たり100時間以上の艤装作業が行われた。

運転訓練は現地鉱山で実施され、数週間にわたり安全・効率運用を教育。遠隔モニタリングシステム「コムトラックス(Komtrax)」も活用し、稼働最適化を図る。

今回の大型導入は、北欧鉱山市場における高性能ダンプ需要の高まりと、寒冷地対応機への更新投資の進展を示す事例といえる。

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