・8時間連続稼働可能な電動ヤードクレーンを納入へ
コネクレーンズ(Konecranes):2026年3月19日
コネクレーンズは3月19日、欧州で初となるフルバッテリー式ラバータイヤ式ガントリークレーン(RTG)を受注したと発表した。エストニアのHHLA TKエストニア(HHLA TK Estonia AS)が導入するもので、コンテナターミナルにおける電動化の進展を示す案件となる。
受注したのは、バッテリーのみでフルシフト稼働が可能なRTG2基。296kWhの大容量バッテリーを搭載し、最大8時間の連続運転に対応する。2025年第4四半期に受注し、2026年第4四半期の納入を予定している。
対象機は「1オーバー5」仕様の6レーン型で、ムーガ港(Port of Muuga)のコンテナハンドリングに投入される。25メートルのバスバー給電システムを併用することで、クレーンは完全バッテリー駆動での運用が可能となり、排気ガスの排出をゼロに抑えるほか、ヤード内の騒音低減にも寄与する。
今回の投資は、HHLAグループ(HHLA Group)のサステナビリティ戦略の一環でもある。ディーゼル駆動のヤード機器を段階的に電動化することで、ターミナル運営に伴う排出削減を図る。
コネクレーンズがこの規模のバッテリー容量を持つRTGを欧州に納入するのは初めて。ムーガ港では既に同社製RTG2基、岸壁クレーン(STS)3基、レールマウント式ガントリークレーン(RMG)1基などが稼働しており、他社製機器と合わせた混在環境で運用されている。
HHLA TKエストニアのタネル・リンゴ(Tanel Ringo)技術・インフラマネージャーは、「既存のコネクレーンズ機は信頼性が高く、サポートも優れている。今回の導入により、ヤードの近代化と機隊の運用一貫性を両立できる。北欧に近い気候条件で設計・製造されている点も、当社の運用環境に適している」とコメントした。
一方、コネクレーンズのフィリップ・ライター(Philipp Reiter)EMEA地域ポートソリューション営業マネージャーは、「フィンランド湾を挟んだ近接パートナーとの協業により、開発成果を迅速に実運用へ展開できる。今回の受注は、バッテリー技術が補助的手段からフルスケール運用の電源へと進化していることを示すものだ」と述べた。
本案件は、同社の脱炭素ロードマップ「エコリフティング(Ecolifting)」の実績の一つでもある。再生可能ディーゼル、ハイブリッド、フル電動化、水素など多様な技術を組み合わせ、港湾オペレーションの脱炭素化を段階的に支援していく方針。
コネクレーンズはマテリアルハンドリング分野のグローバル大手で、世界50カ国以上で約1万6,500人を擁する。2025年の売上高は42億ユーロ。ヘルシンキ証券取引所(Nasdaq Helsinki)に上場している。
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