FUJIグループ、次世代フラッグシップダイボンダ「XERDIA」を初公開

・ボンド精度3µmとUPH5,500で量産要求に対応、SEMICON China 2026で披露へ

電子部品実装ロボット大手のFUJI(愛知県知立市)傘下で半導体製造装置メーカーのファスフォードテクノロジ(山梨県南アルプス市)は3月18日、開発中の次世代フラッグシップダイボンダ「XERDIA(ゼルディア)」を、3月25~27日に中国・上海で開催される「SEMICON China 2026」で世界初公開すると発表した。会場では中国代理店JIPAL Corporationのブース(N4ホール/ブース番号4151)に実機を参考展示し、市場からのフィードバックを今後の製品仕様に反映していく方針。

ダイボンダは、電子回路が集積した半導体チップ(ダイ)を基板上に接着する後工程向け装置で、先端パッケージでの多段・高密度実装を支える中核機として高精度化ニーズが一段と高まっている。生成AIの普及に伴うデータ処理需要の急増でデータセンターやAI関連機器向けメモリ需要が拡大するなか、製造現場では「高精度と高生産性の両立」が量産ライン共通のテーマとなっている。

今回発表したXERDIAは、従来のDB830/DB850シリーズの設計思想を継承しながら、筐体構造や基幹ユニット、ハード/ソフトを含む制御プラットフォームを全面刷新した新世代モデル。ボンド精度は従来5µmから3µmへと引き上げたほか、生産性指標であるUPH(Units Per Hour)は4,000から5,500へと大幅に向上させた。ファスフォードでは「当社標準条件における評価値」としつつ、先端メモリや高性能デバイスの量産ニーズに十分応え得る性能レベルと位置づける。

開発にあたっては「次世代量産装置の新たな業界基準をつくる」ことを掲げ、①安定稼働(“止まらない”)、②生産準備工数の低減(“手間がかからない”)、③既存設備資産の有効活用(“コスパがいい”)、④環境負荷の低減(“環境にやさしい”)の4コンセプトを設定した。

安定稼働面では、高剛性筐体の採用によって振動を従来比50%低減し、刷新した基幹ユニットと合わせて高い稼働率を一段と向上。生産準備では、新制御プラットフォームによる操作性向上に加え、ツール自動交換機能やワーク押えのユニバーサル化で段取り効率・保守性を最大34%改善した。

さらに、DBシリーズのツールやレシピ資産を継続利用できる設計とすることで、既設ラインからのリプレースでも初期投資の最小化を図る。一方、環境面では、面積生産性を従来比30%改善したうえで、新制御プラットフォームによるエネルギー効率向上により装置スタンバイ時消費電力を13%低減。ECOモード2.0を新たに搭載し、アイドル時消費電力を26%削減するなど、省エネ・省スペースの両面で環境負荷低減を打ち出す。

XERDIAは、ファスフォードテクノロジが2018年にFUJIグループ入りして以来、初めてゼロベースで開発した新機種となる。同社はFUJIリニア製リニアモータの採用や、FUJIデザインチームとの協業による筐体デザインなど、グループ内シナジーを前面に打ち出しており、「FUJIグループの技術を結晶させた新しい設計思想の象徴機」と位置づける。

SEMICON Chinaでは、ファスフォードテクノロジの展示に加え、FUJIもE4ホール/ブース番号4342に出展し、SMT工程における段取り替えや部品供給の自動化を実現する電子部品実装ロボット「NXTR」など、自動化ソリューションを多数披露する予定。電子部品実装と半導体後工程の両領域から、FUJIグループとしてのトータルソリューションを訴求する場となりそうだ。

XERDIAの正式リリースは2026年6月を予定している。ファスフォードテクノロジは、本機の投入をテコに最先端パッケージ分野への対応力を一段と強化し、新たな市場価値の創出を図る考え。今後もFUJIグループの技術シナジーを活かし、半導体製造分野における装置技術の高度化に継続的に取り組むとしている。

ファスフォードテクノロジは2015年設立で、半導体製造装置の設計・製造・販売・保守を手がける専業メーカー。資本金は4億5,050万円で、山梨県南アルプス市に本社を置く。一方のFUJIは1959年設立、資本金58億78百万円で、電子部品実装ロボットや工作機械の開発・製造・販売を主力事業とし、実装・加工の両分野でグローバルに事業展開している。

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