清水建設は3月17日、ボッシュエンジニアリング、山﨑建設と共同開発した自動化レベル3の自律施工型ブルドーザー「Smart Dozer」を用い、国土交通省発注工事において実施工を行い、河川敷約2,400m2の敷き均しに成功したと発表した。あわせて、連続した土砂山を検知し自律的に敷き均す高難度の実証施工にも成功した。
本件は、R4那珂川左岸小場地区周囲堤築堤工事(茨城県水戸市)における築堤用土採取箇所で実施したもの。同工事は、河川敷から約9万m2の土砂を掘削・採取し周囲堤整備と河道の流下能力向上を図るもので、令和元年台風19号の被災を踏まえた那珂川緊急治水対策プロジェクトの一環として進められている。工期は2023年4月から2026年3月まで。
「Smart Dozer」は、3D LiDARやカメラ、IMU、GNSSなどのセンサーによる環境認識機能と、AIによる自律制御機能を備えたブルドーザー本体と、施工計画に基づき作業指示を送る施工制御部(マスターシステム)で構成される。これまでに人や障害物を検知して停止・再始動する機能や、対象物の識別機能について検証を進めてきた。
今回の現場ではまず、高さ約1.5m、体積約3.5m3の土砂山4箇所を対象に、約1,000m2の範囲で敷き均しを行う実証施工を実施。マスターシステムにより土砂山の位置を認識させると、AIが最適な移動経路を自動生成し、土砂を崩しながら均平化した。施工時間は約12分で、施工精度は±4~5cmを確保した。
続いて、約120m×20mの河川敷において実施工を実施。作業員が施工範囲を認識させるのみで、移動およびブレード操作までを含めて完全自律で作業を実行し、約20分で約2,400m2の敷き均しを完了した。こちらも同様に±4~5cmの精度を達成した。
建設業界では、生産性向上や省人化、労働環境改善の観点から施工の自動化ニーズが高まっており、同取り組みもその一環として2020年度から開発を進めてきた。今後は自律化機能の高度化に加え、複数建機の協調制御による土工全体の自律施工化を目指す。
「Smart Dozer」は最大約50mの地形把握と約25mの物体識別が可能で、自律的に最適経路を選択し施工を行う。実用化により、作業員の省人化(5人から3人程度)、燃費約30%削減、災害時の危険作業対応や24時間稼働などの効果が見込まれる。
なお、開発における役割分担は、清水建設が全体統括と要件定義、経路生成、ボッシュエンジニアリング(Bosch Engineering)が建機制御および環境認識システムの開発、山﨑建設が建機調達や運用を担当した。
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